テオドール・オーギュスト・ハイン

アルノルトの弟であり第二皇太子の彼は、兄と同じく黒髪に青い瞳を持つが、その髪は跳ねる癖がある。彼はアルノルトと同じ城に住んでいるものの、ほとんど顔を合わせることはなく、リーシェに対しても「関わるな」とアルノルトから忠告されている。

ある日、リーシェの畑で眠っている彼を発見するという奇妙な出来事が起こる。彼は畑の土の寝心地を評価するなど、変わった行動を示す。その後、アルノルトになりすましてリーシェを手紙で呼び出し、「アルノルトに殺される」と警告するが、リーシェには信じられなかった。

さらに彼は過労で倒れたリーシェをエルゼの助けを借りて誘拐しようとするが、リーシェの高い戦闘能力と機転により脱出されてしまう。実は彼はアルノルトが何かしらの理由で自らの存在を消そうとしていることに気づいており、その計画を阻止するために皇位継承権を放棄させようとしていたのだ。

最終的にはリーシェの仲介でアルノルトと和解し、リーシェの行動に協力することを手紙で伝える。彼の行動は、兄への深い愛と皇位への複雑な感情が絡み合ったものだった。