夏油 傑（げとう すぐる）

特級呪詞師として知られる彼は、非術師の両親を持ち、五条悟とは学生時代からの親友であった。彼は黒い長髪に五条袈裟をまとい、しばしば不敵な笑みを浮かべる男性で、五条と同じくらいの身長を誇る。彼は飄々としており、時には挑発的な態度を取ることもある。

彼は学生時代から「非術師を淘汰し、呪術師だけの世界を作る」という目標を掲げていた。彼は仲間の呪術師には家族のように接し、特に若い呪術師には敵対関係にあっても尊重する態度を示す一方で、非術師には冷淡で、時には愛想よく接することもあるが、基本的には忌み嫌っている。

彼の術式は「呪霊操術」と呼ばれ、呪霊を取り込み自在に操ることができる。この術式では、呪霊を球体状の呪力の塊にして飲み込むことで取り込むが、彼自身はこの方法に不快感を示している。彼は体術も得意で、近接戦闘にも対応可能であり、特級呪具「游雲」を使用することもある。

彼は都立呪術高専の出身で、五条悟や家入硝子とは同級生だった。学生時代は五条よりも良識的であり、彼の注意役を務めていた。しかし、彼の信念は次第に揺らぎ始め、非術師を守ることに疑問を持ち始める。特に、任務先の村で虐待を受けていた呪術師の姉妹との出会いが彼の考えを変えるきっかけとなり、最終的には村の住人を皆殺しにし、自身の両親も殺害することで呪術界から死刑対象に指定される。

彼は新宿で五条と家入に別れを告げた後、盤星教を乗っ取り、宗教団体を設立して信者から呪いと金を集め、仲間の呪詛師を集める。彼の最期は五条によって討たれるが、その後、彼の遺体は何者かによって盗み出される。