狗巻 棘（いぬまき とげ）

狗巻家の末裔であり、都立呪術高専の2年生である彼は、準1級の呪術師として知られています。彼の家系には「呪言師」としての技能が受け継がれており、特有の術式「呪言」を使いこなします。この技術は、発声に呪力を込めて言霊を強化し、発言した内容を現実に引き起こす能力を持っています。例えば、「爆ぜろ」と言えば対象を爆発させることができ、「捻れろ」と言えば対象を文字通り捻じることが可能です。彼は携帯電話や拡声器を通じてもこの力を行使できますが、使用頻度が高まるほど、また強力な術を使うほど身体に負担がかかります。また、この力の乱用は彼自身にダメージを与えるリスクも伴います。

彼は意図せず他人を呪わないように、日常会話では語彙をおにぎりの具に限定しています。例えば、「しゃけ」は肯定、「おかか」は否定を意味します。彼の口元には狗巻家の呪印「蛇の目」と「牙」があり、普段はハイネックの服で隠しています。

彼の周囲の人々は、彼の会話スタイルが理解しにくいため、時に恐れることがありますが、彼は本質的に優しく、仲間思いの性格です。幼少期から呪言を使えたため、無意識のうちに人を呪ってしまうことがありましたが、呪術高専に入学してからは、その力をコントロールする方法を学んでいます。

彼は虎杖や真希と比べると目立たないかもしれませんが、身体能力も非常に高いです。渋谷事変の際には、虎杖（宿儺）の暴走に巻き込まれ、左腕を失う重傷を負いました。