渋川義季（しぶかわ よしすえ）

一番組のリーダー。長い髪をオールバックにした若い男性で、その武器は自分の身長を超える大太刀「千里薙」。彼の姉は直義に嫁ぎ、娘の幸子は後に尊氏の子に嫁ぐなど、足利家との深い繋がりを持っている。このため、直義からの信頼は非常に厚く、足利家への強い忠誠心を持つ。

彼の性格は非常に真面目で誠実、「武士は忠義と正々堂々を重視する」という美学を大切にしている。しかし、その融通の利かなさから、敵が自分の理想の武士像に合わないと怒り狂い、戦闘力が向上する「南北朝鬼ごっこ『阿修羅鬼』」として知られる。

生まれながらに強い正義感と優しさを持つ、好青年である。討幕の戦では妻の実家に連なる北条家に刃を向けることを拒否していたが、直義からの厚遇により足利家への忠誠を選ぶこととなる。

渋川・岩松・石塔と共に「庇番最強の布陣」として称される。中先代の乱では、第一陣総大将として武蔵国久米川に布陣し、北条軍を迎え撃った。その後、退却する北条軍を追跡し、女影原に進軍。海野との戦いを制し、全軍殲滅を命じるが、乱戦の間に接近してきた時行と弧次郎との二対一の戦いに突入した。時行の挑発と策に疲労しかけ、弧次郎との一騎打ちで激しい攻防の末に敗北する。弧次郎の武勇を称え、時行に「正義を貫く苦痛」を忠告しながら息を引き取った。