要 圭（かなめ けい）

この物語の中心となるのは、宝谷シニア出身の捕手で、右投左打の高校生です。彼の身長は172cm、血液型はAB型で、誕生日は4月15日です。彼は清峰という幼馴染がおり、かつてはその冷静沈着なリードでチームを勝利に導く天才捕手でした。しかし、記憶喪失により野球に関する知識と興味を失い、性格も変わってしまいます。彼の新しい性格は、お調子者で、時折、元の冷静な自分に戻ることがありますが、これは記憶の問題ではなく、解離性同一性障害による人格交代であることが明らかになります。

彼は宝谷シニア時代には3番バッターとして活躍し、記憶喪失後もその打撃力は衰えていません。守備面でも、キャッチングの技術は忘れておらず、リードのスキルも向上しています。彼の新しい人格は「アホ」と呼ばれ、野球の知識や技術は初心者レベルですが、その人柄はチームのムードメーカーとして貢献しています。彼は女子が多いという理由で小手指高校に進学し、最初は野球を嫌っていましたが、次第にその魅力に気づきます。彼は「ぜったいノート」という自分が書いたノートを通じて、捕手としての知識を再び学んでいきます。

もう一つの人格は「智将」と呼ばれ、かつての天才捕手時代の自分です。この人格は自信に満ち、カリスマ的な存在でしたが、そのストイックさが周囲とのトラブルを引き起こすこともありました。彼は野球にのみ興味を持ち、野球以外のことはすべて捨てるという強い決意を持っています。しかし、その過程で感じた負の感情が精神的な負担となり、中学3年生の時に休眠状態に陥ります。その後、主人格が表出し、「記憶喪失」と解釈されるようになりました。現在は時折、人格が交代できる程度に回復しており、自身の消滅を受け入れつつ、野球の指導に励んでいます。