2024年8月17日 (現行バージョン)

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瘴奸(しょうかん)
瘴奸 Shogen Hirano
性別:男
悪党集団「征蟻党」の首領を務める、この入道姿の男は人から奪うことを生きがいとし、親を殺して子供を売ることに悦びを見出す外道です。彼は仏が存在しないと断言し、戦闘では大鎧を着て二刀流を操ります。その悪辣さにもかかわらず、彼は兵法にも通じる知将としての側面を持ちます。彼の異名は「鍼口鬼」で、南北朝時代の争乱に身を置いています。 元は武家の生まれでありながら、嫡子相続の方針に従えず、自身の領地がなく兄の召使いになることを拒絶して家を出奔しました。行き場を求めて悪党の道へ進み、大戦に参加して名を上げようとしましたが、敗戦し楠木正成から逃げるよう勧められて信濃へと流れ着きました。 実はこの男の正体は、史実では処刑された平野将監(ひらの しょうげん)です。楠木正成に名前を「しょうかん」と読み間違えられたことから、現在の偽名を名乗るようになりました。 諏訪領を狙う貞宗の依頼で国境の集落を荒らしていたところ、軍師に吹雪を迎えた逃若党と対立。時行の策にはまり、閉所に誘い込まれて「鬼心仏刀」を受け、意識が朦朧とする中、笑顔で逃げる時行に「仏」の姿を見出し失血で倒れます。貞宗に救出され一命を取り留め、賊から足を洗う条件で所領を与えられました。 改心後は領民思いの地頭として慕われますが、内心では過去の悪行を悔いています。中先代の乱では、諏訪軍を背後の山中から奇襲しようとしますが、進軍路を時行に見抜かれ、「火焔御柱の計」に嵌められ味方と分断されます。最終的に時行と吹雪との戦いで、本名を名乗って堂々と決戦に臨み、激戦の末に二人の秘策「二牙白刀」を受けて敗れます。絶命の瞬間には、時行の成長を喜びつつも、領民の少女に「生きて帰る」と約束したことを思い出し未練を抱いて逝きます。

(編集者: A A)