『WIND BREAKER』(ウィンドブレイカー)は、にいさとるによる日本の少年漫画で、喧嘩最強の不良高校生たちが「街を守るヒーロー」として戦う姿を描いたアクション青春作品である。
講談社のアプリ「マガジンポケット」で2021年1月13日から連載され、テレビアニメ・舞台・ゲーム・実写映画へとメディアミックス展開している。
作者はにいさとるで、出版社は講談社。
レーベルは「講談社コミックス」で、2025年12月時点で単行本は既刊24巻となっている。
連載開始は2021年1月13日で、掲載誌はスマホ向け漫画アプリマガジンポケット。
2025年6月時点でシリーズ累計発行部数は800万部突破と発表されている。
2024年にテレビアニメSeason 1、2025年にSeason 2が放送され、どちらもCloverWorksが制作を担当した。
さらに2025年には舞台化・オンラインゲーム化・実写映画化も行われ、急速に人気を広げている。
物語の主人公は、「偏差値は最底辺、喧嘩は最強の風鈴高校で頂点に立つ」と心に決めた少年桜 遥(さくら はるか)。
不良の巣窟として悪名高い風鈴高校のある街へやってくるところから物語が始まる。
しかし、風鈴高校の不良たちは「防風鈴(ボウフウリン)」と呼ばれ、街の人々をヤクザや不良から守る自警団的な存在として感謝されていた。
「誰かを守るために喧嘩をする」彼らの姿は、遥が想像していた“ただの不良”とは正反対だった。
遥は、防風鈴の在り方に心を動かされ、少しずつ街や仲間たちの中に溶け込みながら高校の頂点を目指していく。
喧嘩や抗争は激しいが、根底にあるのは「守りたいもののために強くなる」というヒーロー的なテーマである。
物語の主な舞台は、風鈴高校と、その周囲に広がる商店街や住宅街などの下町的な街並みである。
この街はヤクザや不良グループの脅威にさらされており、防風鈴の活躍が住民の安全を支えている。
風鈴高校は偏差値こそ低いが喧嘩の実力は全国トップクラスという設定。
「強さ=暴力」ではなく、「強さ=守る力」として描かれているのが本作の大きな特徴である。
街には「喫茶ポトス」や「ショーパブOUGI」など、キャラクター同士のドラマが生まれる場所が多数登場する。
これらのスポットが、単なる不良バトルだけでなく、人間関係や成長を描く舞台として機能している。
風鈴高校・防風鈴
桜 遥(さくら はるか)
本作の主人公で、風鈴高校1年生。
声は内田雄馬(アニメ)、舞台では石川凌雅、実写映画では水上恒司が演じる。
曲がったことが大嫌いで、まっすぐすぎるほど不器用な性格。
喧嘩の実力は1年生にしてトップクラスで、「頂点に立つ」という野心と、「守るために戦う」という信念がぶつかり合いながら成長していく。
梅宮 一(うめみや はじめ)
風鈴高校3年生で、防風鈴の頂点に立つ総代。
声は中村悠一、舞台では佐奈宏紀、映画では上杉柊平が演じる。
圧倒的な強さを持ちながら、性格は温厚で大らか。
仲間からは兄貴分として慕われており、「優しい最強」そのもののカリスマ的存在である。
柊 登馬(ひいらぎ とうま)
風鈴高校3年で、防風鈴四天王のひとり。
時間に厳しく、きっちりした性格で、冷静な判断力を持つ。
アニメでは鈴木崚汰が声を担当し、舞台では高橋駿一、映画では中沢元紀が演じる。
幼馴染の佐狐 浩太との関係や過去が、物語の中で重要なエピソードとして描かれる。
杉下 京太郎(すぎした きょうたろう)
遥の同級生でクラスメイト。
梅宮総代を崇拝しており、彼の背中を追いかける熱い男である。
声は内山昂輝、舞台は中本大賀、映画はBE:FIRSTのJUNONが担当。
不器用ながらも仲間思いで、友情を体現するキャラクターのひとり。
蘇枋 隼飛(すおう はやと)
遥のクラスメイトで、ミステリアスな雰囲気をまとった少年。
普段は飄々としているが、戦闘になれば鋭い洞察と高い戦闘センスを見せる。
声は島﨑信長、舞台は安藤夢叶、映画は綱啓永が演じる。
謎の多い過去と、独特の価値観が、物語にスパイスを与える存在である。
楡井 秋彦(にれい あきひこ)
遥のクラスメイトで、情報通ポジションの少年。
温厚で人当たりが良く、クラスのムードメーカーとしても機能する。
声は千葉翔也、舞台は横山賀三、映画では木戸大聖が演じる。
実写映画では街や仲間を守ろうと奔走する姿が印象的に描かれる。
そのほかの防風鈴メンバー
・柘浦 大河:人懐っこくて暑苦しい1年生。周囲から親しみを持たれている。
・桐生 三輝:穏やかで紳士的だが、喧嘩になると驚異的な強さを発揮する1年生。
・椿野 佑:三年生の四天王で、過去の出来事から「救われること」と「誰かを救うこと」に人一倍こだわる。
・桃瀬 匠:絵を描くことが好きな三年生の四天王。繊細な感性と、戦闘時の鋭さのギャップが魅力。
・水木 聡久:特撮オタクの三年生四天王。ヒーロー番組への憧れが、防風鈴としての信念にも繋がっている。
・梶 蓮:二年生の級長で腕っぷし・統率力ともに一級品。アニメでは中盤以降のキーパーソンとなる。
獅子頭連
兎耳山 丁子(とみやま ちょうじ)
不良グループ獅子頭連(ししとうれん)のNo.1で、頭取を務める男。
カリスマ性と狂気を合わせ持ち、街の均衡を乱す存在として防風鈴と衝突する。
声は戸谷菊之介、舞台は今牧輝琉、映画では山下幸輝が演じる。
言動は過激だが、彼なりの正義や価値観も垣間見える複雑なキャラクターである。
十亀 条(とがめ じょう)
獅子頭連No.2で、副頭取。
冷酷でストイックな性格で、兎耳山とはまた違うタイプの「怖さ」を持つ。
声は梅原裕一郎、舞台は里中将道、映画では濱尾ノリタカが担当。
戦いの中で、風鈴高校のメンバーと「譲れないもの」をぶつけ合う姿が描かれる。
佐狐 浩太(さこ こうた) ほか
過去のすれ違いから、柊との関係性がこじれてしまっており、その因縁が大きなドラマを生む。
このほか、有馬 雪成、鹿沼 稔、猿渡 宏基らが獅子頭連の仲間として登場し、それぞれが防風鈴との激しいバトルを繰り広げる。
実写映画でも彼らの抗争が大きな見どころのひとつになっている。
KEEL
KEELは、風鈴高校の街に絡む別勢力として登場するグループである。
ただの敵役ではなく、それぞれが事情や信念を抱えた「もう一つの不良集団」として描かれている。
・名取 慎吾:KEELのトップで、声は榎木淳弥。
・長門 淳史:杏西の幼馴染で、過去の因縁を抱えるキャラクター。
このほか、金剛 尊、霧島 士佑、最上 大志、加賀 廉二、利根 帆介らがメンバーとして登場する。
彼らと防風鈴との対立・協力関係が、物語の後半にかけての大きな軸となる。
六方一座・GRAVEL・元風鈴
六方一座
「六方一座」は、ショーパブ「OUGI」と密接に関わる集団で、喧嘩だけでなくショーや舞台表現も絡んだ独特の雰囲気を持つ。
座長の中村 幹路を中心に、街の事情や大人の側から風鈴高校の生徒たちに関わっていく。
・中村 幹路:声は興津和幸。人情に厚く、若者たちを温かく見守る兄貴分。
・美吉 彰人、日高 将吾、音羽 律らも個性的なメンバーとして登場する。
GRAVELと元風鈴
GRAVELは、依頼を受けて動く危険なグループで、リーダーは硯 秀平(声:花江夏樹)。
依頼を通じて、六方一座の歌い手・しずかを狙うなど、物語をさらにかき回す役割を担う。
かつて風鈴高校に在籍していた棪堂哉真斗と焚石 矢は、「元風鈴」として暗躍する存在。
彼らはKEELやGRAVELの騒動の黒幕的立ち位置で、過去の風鈴と現在の風鈴をつなぐ重要キャラクターとなっている。
日常を彩るキャラクターたち
橘 ことは(たちばな ことは)
喫茶店「喫茶ポトス」で働く16歳の少女で、街にやってきた遥を最初に迎え入れた人物。
時に厳しく、時に優しく、遥たちにアドバイスを送る心強い味方である。
声は長谷川育美、舞台は髙橋果鈴、実写映画では八木莉可子が演じる。
戦わない立場ながら、物語の感情面を支える重要なヒロイン的存在となっている。
そのほか
・土屋 美緒:杏西の幼馴染で、心の支えとなる存在。
・伊藤 繁・伊藤 ゆい:椿野を救った夫婦で、特に繁は椿野の人生を変えた人物として描かれる。
・成田 しずか:ショーパブ「OUGI」の歌い手で、椿野や中村 幹路と深い絆を持つ。
彼女の存在が、六方一座編のドラマ性を大きく高めている。
漫画単行本・関連書籍
単行本『WIND BREAKER』は、講談社コミックスより2021年5月に1巻が発売。
以降、定期的に新刊が刊行され、2025年12月9日時点で第24巻まで刊行されている。
2024年5月には、キャラクターの設定や裏話をまとめた公式キャラクターブック
『WIND BREAKER 公式キャラクターブック 秘ノート』も発売された。
アニメ概要
テレビアニメ版は、CloverWorksがアニメーション制作を担当している。
いずれのシーズンも、監督は赤井俊文、シリーズ構成・シナリオは瀬古浩司が務める。
Season 1は2024年4月から6月まで、MBS・TBS系列の深夜アニメ枠「スーパーアニメイズムTURBO」で放送。
Season 2は2025年4月から6月まで、同じ枠で放送された。
音楽は両シーズンとも高橋諒が担当し、激しいアクションと熱いドラマを盛り上げている。
アクションディレクターに浅賀和行、キャラクターデザインに川上大志が参加し、スタイリッシュなバトルシーンが高く評価された。
主題歌
Season 1オープニングは、なとりによる「絶対零度」。
エンディングは、Young Keeによる「無敵」で、主人公たちのひたむきさを表現している。
Season 2オープニングは、SixTONESの「BOYZ」。
エンディングはシャイトープの「It’s myself」で、内面の葛藤や自分らしさをテーマにした楽曲となっている。
放送・配信
地上波はMBS・TBS系列全28局で放送され、連動データ放送や字幕放送にも対応している。
BSではBS日テレ(およびBS4K)、CSではAT-Xで放送された。
配信はABEMAでの地上波同時・単独先行配信のほか、
Netflix、Amazon Prime Video、U-NEXT、dアニメストアなど多数の配信サービスで順次配信されている。
WIND BREAKER 不良たちの英雄譚(ウィンヒロ)
2025年3月12日に、Aimingからスマートフォン・PC向けオンラインゲーム
『WIND BREAKER 不良たちの英雄譚』が配信開始された。
略称は「ウィンヒロ」。
プレイヤーは風鈴高校や防風鈴の一員として、喧嘩やストーリーイベントをこなしながら街を守っていくゲーム内容となっている。
映画版の概要
実写映画『WIND BREAKER / ウィンドブレイカー』は、2025年12月5日に公開された。
監督は萩原健太郎、脚本は政池洋佑が担当している。
主演の桜 遥役は水上恒司。
楡井 秋彦役に木戸大聖、橘 ことは役に八木莉可子、梅宮 一役に上杉柊平、獅子頭連の兎耳山 丁子役に山下幸輝など、若手俳優陣が多数出演する。
音楽はYaffleと桜木力丸が担当し、主題歌はBE:FIRSTの「Stay Strong」。
喧嘩アクションと青春ドラマを両立させた映像作品として仕上がっている。
撮影とエピソード
撮影は2025年2月から4月にかけて沖縄県でオールロケで行われた。
実在の商店街を装飾し、劇中に登場する「東風商店街」として使用するなど、ロケーションにこだわった作品となっている。
また、伝説の風鈴生役として俳優の眞栄田郷敦が友情出演している。
アクションだけでなく、キャラクター同士の絆や街の空気感も映像でしっかりと表現された。
なお、この作品はワーナー・ブラザース映画が日本で劇場配給した最後の映画作品となった。
同社は2025年12月31日をもって、日本国内での劇場配給業務から撤退すると発表している。
2021年にはPV公開や渋谷駅・渋谷の街頭を使った「渋谷ジャック」が行われ、限定PVなども話題になった。
大型ビジョンでの特別映像上映や描き下ろしイラスト展示など、早い段階からメディア露出が多い作品である。
2022年にはナムコのアミューズメント施設とコラボし、限定景品やポストカード配布などを実施。
2023年にはナンジャタウンでのコラボイベント「WIND BREAKER in NAMJATOWN」が開催され、描き下ろしイラストやフードメニューが登場した。
2024年にはスーパー銭湯チェーン極楽湯・RAKU SPAとのコラボが行われた。
コラボ風呂や限定メニュー、キャラパネル展示のほか、コラボメニューを一定数注文すると特製コースターがもらえる企画なども実施されている。
2021年の「次にくるマンガ大賞2021」ではWebマンガ部門で20位にランクインした。
2022年の「全国書店員が選んだおすすめコミック 2022」では第3位を獲得している。
同年、AnimeJapanの企画「アニメ化してほしいマンガランキング」では第9位に選ばれた。
その後、本当にテレビアニメ化・実写映画化まで決まったことで、「本当にアニメになったランキング作品」としても注目を集めた。
💬 コミュニティディスカッション
本当にこのアニメを大切に思っている人たちと語り合おう。