『B: The Beginning』は、Production I.G制作による日本のオリジナルWebアニメである。
Netflixで2018年3月2日からシーズン1、2021年3月18日からシーズン2『B: Succession』が配信された。
ジャンルはクライムアクションとサスペンス。
連続殺人事件を追う捜査劇と、異能を持つ少年の運命が交差する構成が大きな魅力である。
原作は中澤一登とProduction I.G。
シーズン1は中澤一登と山川吉樹が監督を務め、シーズン2は中澤一登が総監督、川崎逸朗が監督を担当した。
音楽は池頼広。
シーズン1は全12話、シーズン2は全6話で構成されている。
第22回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の審査委員会推薦作品にも選ばれている。
群島国家クレモナでは、凶悪犯罪者ばかりが狙われる連続殺人事件が発生していた。
犯人は現場に「B」の文字を残すため、人々はその存在を「Killer B」と呼ぶようになる。
王立警察特殊犯罪捜査課、通称RISに、天才捜査官キース・風間・フリックが復帰する。
彼は複雑に絡み合う事件の真相を追いながら、国家の闇へと踏み込んでいく。
その一方で、バイオリン工房に出入りする少年・黒羽もまた、夜の街を駆けていた。
翼を生やし、腕を刃に変える力を持つ彼は、失った記憶とある人物を求めて戦っている。
やがて、黒羽、キース、そしてテロ組織マーケットメイカーの思惑がぶつかり合う。
事件は単なる殺人では終わらず、過去と陰謀、そして人の感情が渦巻く大きな物語へと発展していく。
シーズン1
タイトルはB: The Beginning。
2018年3月2日からNetflixで配信され、全12話で展開された。
シーズン2
タイトルはB: Succession。
2021年3月18日からNetflixで配信され、全6話となっている。
黒羽
本作の主人公のひとり。
バイオリン工房に職人見習いとして出入りする穏やかな少年だが、裏ではKiller Bとして暗躍する。
背中から翼を生やし、左腕の肘から先を刃に変える能力を持つ。
一部の記憶を失っており、その過去が物語の大きな鍵になっている。
キース・風間・フリック
本作のもうひとりの主人公。
RISに復帰した天才捜査官で、抜群の推理力を誇る一方、運動は苦手というギャップを持つ。
周囲からはドイツ語で天才を意味する「ゲニ」と呼ばれている。
リリィを少し苦手にしており、何かと距離を取ろうとする姿も印象的である。
星名リリィ
RIS所属の新人捜査官。
無神経に見える言動もあるが、発想の柔軟さと粘り強さで事件に食らいつく。
黒羽が出入りするバイオリン工房の娘でもある。
明るさのある存在で、重い空気の多い作品の中では清涼剤のような役割を担う。
皆月
テロ組織マーケットメイカーのリーダー。
黒羽に強い憎しみを抱いており、物語を大きく動かす重要人物である。
単純な悪役ではなく、見方によって印象が変わる多面性を持つ。
その危うさと存在感が、作品の緊張感を引き上げている。
ユナ
皆月の部下である無口な少女。
黒羽に憎しみを向けているが、それは操作された記憶によるものである。
幼少期には黒羽とともに過ごしていた。
シーズン2では大学生としての生活も描かれる。
イザナミ
皆月の部下で、中性的な雰囲気をまとう人物。
遊ぶように黒羽を追い詰める、不気味さと華やかさを兼ね備えたキャラクターである。
左脚の膝から下を刃に変える能力を持つ。
シーズン2では黒羽を助ける側として再登場する。
エリック・トガ
現場指揮官であり、キースの弟子にあたる存在。
実務面でRISを支える中核のひとりである。
ボリス・マイヤー
老齢の捜査官で、引退が近い人物。
キースの過去を知る数少ない人物でもあり、周囲の相談役としても頼られている。
吉永カエラ
捜査官であり、ホワイトハッカーとして後方支援を担当する。
専用オペレーションルームを持ち、技術面からRISを支える。
マリオ・ルイス・ズリータ
坊主頭の巨体を持つ捜査官。
体力に自信があり、実はキースを密かに尊敬している。
ジャン・アンリ・リシャール
RISの捜査官。
キースとは旧知の仲である。
ブライアン・ブランドン
情報分析や技術支援を得意とする捜査官。
やや経験不足と見られがちだが、危機に最初に気づく鋭さも持つ。
ギルバート・ロス
王立法医学研究所のスタッフ。
キースの学生時代からの知人で、禁煙中と称しつつ隠れて吸っている。
エリカ・風間・フリック
キースの義理の妹。
どこかリリィに似た雰囲気を持つ。
キリサメ
幼少期の事件で黒羽を助けるために死んだと思われていた人物。
黒羽の能力の原型ともいえる、左腕を刃に変える力の最初の持ち主である。
シーズン1終盤で生存が明かされる。
シーズン2では黒羽を国家機関に勧誘するため再び姿を見せる。
アサギリ
任意の相手の力をコピーする能力を持つ。
カザン
作中に登場する重要人物のひとり。
異能をめぐる系譜の中で物語に関わっていく。
ナスカ
黒羽たちと関わる人物。
作品世界の背景を広げる役割を持つ。
イザヨイ
作中に登場する人物のひとり。
黒羽たちを取り巻く勢力の一角を成す。
ユキカゼ
物語に登場する重要人物。
シーズン2の流れの中でも存在感を見せる。
RIS
王立警察特殊犯罪捜査課の略称で、「リス」と呼ばれる。
王立警察の中でも特殊犯罪を扱う部署であり、キースやリリィらが所属する。
マーケットメイカー
「狂気をプロデュースする」をモットーに掲げるテロ組織。
犯罪者を助け、利用しながらテロを引き起こす集団で、多数のファンサイトまで存在する。
メンバーは顔に独特のペイントを施し、右手の掌にドクロのマークを持つ。
見た目のインパクトも強く、作中でも異様な存在感を放っている。
クレモナ
物語の舞台となる群島国家。
美しい街並みの裏で、事件と陰謀が渦巻く幻想的な舞台である。
企画
本作では中澤一登が原作、監督、キャラクターデザイン、総作画監督を務めた。
作品の核を一貫して担う体制が取られている。
シーズン1で山川吉樹を共同監督に迎えたのは、作業量への備えと、異なるタイプの視点を作品に取り入れるためだった。
複雑な構成を客観的に確認できる体制が意識されていたという。
ストーリーの発想は、「複雑に作れるから複雑に作る」という考え方から着想を得ている。
単純な核に、複雑な人間関係や謎を重ねる構成が、本作ならではの味わいにつながった。
美術
舞台となるクレモナは、イタリアのクレモナやキューバの市街地などを参考にして設計された。
どこか現実感がありながら、異国情緒と幻想性を感じさせる背景が印象的である。
王立警察の建物は、新旧の建築様式が混在する地域にあるという設定から、複数の様式を融合させた外観になった。
RISの部屋にはProduction I.Gの制作現場や、三菱一号館内のカフェ「Café 1894」も参考にされている。
リリィの実家であるバイオリン工房は、時間帯によって雰囲気が大きく変わる。
昼は暖かな自然光、夜は静かで少し寂しげな空気が丁寧に描かれている。
演出
本作は、話が進むごとに全貌が見えてくるよう設計されている。
そのため序盤のサイコスリラー要素は、世界観を印象づける導入として機能している。
残酷描写については、Netflix配信作品としての自由度も意識された。
一方で、必要に応じて調整できる準備もした上で制作が進められたという。
また、光の点滅表現に関する制約が少ないことは、映像演出の面で大きな追い風になった。
派手なアクションや異能の見せ方にも、その恩恵が活かされている。
キャラクター設定
黒羽はダークヒーローのイメージから作られたキャラクターである。
孤独や虚無といった要素が重ねられ、「黒羽」という名も「虚空」を連想させる読みから発想された。
キースは黒羽の対になる存在として設計された。
その人物像には物理学者ポール・ディラックがモデルとして取り入れられている。
リリィは重くなりがちな物語の中で、空気を和らげる存在として位置づけられた。
皆月は善悪どちらにも見えうる人物として設定され、単純に割り切れない魅力を持つ。
シーズン1
原作は中澤一登、Production I.G。
監督は中澤一登、山川吉樹、シリーズ構成は石田勝也である。
キャラクターデザインは中澤一登。
メカニックデザインは常木志伸、音楽は池頼広、アニメーション制作はProduction I.Gが担当した。
そのほか、プロデューサーは黒木類。
美術デザインは伊井蔵、プロップデザインは津坂美織と冨田収子、色彩設計は境成美である。
美術監督は田中孝典。
3DCGディレクターは磯部兼士、撮影監督は荒井栄児、編集は植松淳一、音響監督は長崎行男。
シーズン2
原作は中澤一登、Production I.G。
総監督は中澤一登、監督は川崎逸朗、シリーズ構成は中澤一登と石田勝也である。
キャラクターデザインは中澤一登、矢野茜、草間英興。
メカニックデザインは常木志伸、音楽は池頼広、アニメーション制作はProduction I.Gが担当した。
黒羽は梶裕貴、幼少期は桑島法子。
キース・風間・フリックは平田広明、星名リリィは瀬戸麻沙美が演じた。
皆月は石川界人、幼少期は三瓶由布子。
ライカは喜多田悠、幼少期は大地葉である。
クエンは粟根まこと、カムイは中井和哉、ユナは佐藤聡美。
吉永カエラは小清水亜美、マリオ・ルイス・ズリータは田中進太郎である。
ジャン・アンリ・リシャールは後藤敦。
ブライアン・ブランドンは豊永利行、ギルバート・ロスは森川智之が演じた。
エリカ・風間・フリックは八重畑由希音。
キリサメは寺島拓篤、幼少期は皆川純子である。
アサギリは潘めぐみ、ユキカゼは内山昂輝。
ナスカは小市眞琴、イザヨイは七瀬彩夏、カザン役として澁谷梓希とKENNの名が挙がっている。
Netflix配信に先立ち、2018年2月21日にワールドプレミア試写会が開催された。
この試写会では第1話から第3話までが上映された。
テーマソングは「The Perfect World」。
マーティ・フリードマン feat. Jean-Ken Johnny、KenKenによる楽曲である。
作曲はマーティ・フリードマン、作詞はJean-Ken Johnnyが担当した。
制作にあたっては、作品を全話視聴したうえで印象を反映させる方法が取られた。
物語のラスト近くで流れることもあり、強い存在感を持つ楽曲となっている。
作品の世界観を締めくくる一曲として高い印象を残した。
💬 コミュニティディスカッション
本当にこのアニメを大切に思っている人たちと語り合おう。