伏黒 甚爾（ふしぐろ とうじ）

彼は「術師殺し」という異名を持つ殺し屋で、恵の実父です。彼は自分の息子の名前を忘れるほど冷淡であり、息子を担保にして賭け事の資金を調達することもありました。自尊心を捨てたと言うほど面倒事を避け、危険を感じるとすぐに逃げ出す性格です。

彼は「天与呪縛」という特殊な能力を持つフィジカルギフテッドで、呪力は持っていませんが、五感が非常に鋭く、呪霊を認識できるまでになっています。また、呪いへの耐性も持っており、跳躍だけで高い身体能力を発揮します。戦闘では、自らが飼いならした呪霊を武器庫代わりに使っています。

彼は禪院家の出身で、素手で呪霊を祓うことができないため、家では酷い扱いを受けていました。家を出た後、恵の母と結婚し、伏黒家に婿入りしました。しかし、妻が亡くなった後は女性を転々とし、最終的にはヒモとなりました。

盤星教からの依頼で、3000万円の報酬で星漿体・天内理子の暗殺を請け負います。彼は五条と夏油を疲弊させるため、暗殺の2日前から懸賞金をかけて呪詛師たちを巻き込みます。そして、高専の結界を突破し、天内を殺害します。しかし、五条に敗れ、息子が禪院家に売られることを告げて死亡します。

10年以上後、五条が封印された際に、オガミ婆の降霊術によって彼の肉体の情報が孫に降ろされますが、その肉体が孫の魂を上書きしてしまいます。結果的に彼は完全に復活し、オガミ婆を撲殺します。その後、術式が暴走し、彼は殺戮人形と化します。恵との戦いの中で、彼が自分の息子であることを知り、彼が伏黒と名乗ることに笑みを浮かべながら、自ら命を絶ちます。