天野 雪輝（あまの ゆきてる） - 1st

未来日記の所有者：無差別日記

本作の主人公は、市立桜見中学に通う2年生の少年です。彼は、自分の空想の存在だったデウスのゲームに巻き込まれ、未来日記所有者同士の殺し合いに参加することになります。火山との戦いで予知された死（DEAD END）を覆し、逆に相手を倒すという奇跡を見せたため、他の未来日記所有者たちから真っ先に狙われるようになります。彼は神の座には興味がなく、ただ生き残ることが目的でしたが、和解した父がジョン・バックスに殺されたことをきっかけに、由乃と共に神を目指すことを決意します。

彼は元々寂しがり屋で、傷つくことを恐れて傍観者に徹する臆病な性格です。泣き虫で、すぐに涙ぐむことが多いですが、未来日記所有者との戦いでは勇敢さを発揮することもあります。欠点としては、調子に乗りやすいことと、他人をあまり疑わないため、他の未来日記所有者に騙されやすいところがあります。7thを撃破した時期に母が（過失的ではあるが）父に殺害され、その父もジョン・バックスの部下によって殺害されたことから、『神になって両親（及び所有者の戦いによる犠牲者）を生き返らせる』決心をします。この決心以降、敵の殺害や無関係の人々を巻き込む作戦を実行するなど、かなり過激な性格になりました。

趣味は日記をつけることとダーツです。ダーツは普段から携帯しており、未来日記所有者との戦闘でも武器として使用し、火山や椿の日記を破壊しています。現在、両親が離婚したため母親に引き取られていますが、母は滅多に帰ってこないため一人でいることが多いです。

彼が所持する携帯電話「無差別日記」は、自分を中心とした周囲の未来を無差別に予知する能力があります。元々は趣味として彼が見た物を日記に書いていたものがデウスの力により変化したものです。全日記中最多の情報量を持ちますが、普段から彼が傍観者でいようとしたため、自分自身のことが一切書かれていないという欠陥があります。また、あくまで彼の主観の情報に依存するため、彼が間違った情報を把握した場合は間違った情報のままの未来が表示されてしまいます。

我妻由乃に対しては、自分を想ってくれている事実と献身的に自分を護ろうとしてくれていることは理解していますが、ストーキングしていた事実とその得体の知れない印象から、恐怖と愛情の入り混じった複雑な心情を抱いています。なお、由乃とは別に、中学一年の時にクラスメイトだった若葉萌絵に惚れていました。月島狩人との交戦の際、成り行きで仕方なかったとはいえ由乃と正式な「恋人」となり、後に来須との交戦中にはっきり「好きだ」と告白します。それでも終盤までなぜ好きなのか分からなかったものの、由乃に閉じ込められた夢の世界で『ずっと一緒にいてくれたから』という自身の本当の気持ちに気付き、由乃と結ばれるはずだった予定の日を１日繰り上げて由乃にリードされながらセックスをしました。由乃と結ばれるまでは童貞で、避妊はしていません。

由乃以外の全ての未来日記所有者を破り、あと少しで神の座という所まで行きますが、『死んだ人間を蘇生することはできない』という事実を知り落胆します。さらには由乃の正体と目的を知り打ちのめされますが、それでも由乃を追って過去に飛び愛を告げます。彼は由乃に『全ての願いがかなう夢の世界』へと送りこまれますが、あくまで由乃を救うためにあがき、封じられていた2周目のムルムルとともに夢の世界を脱出します。由乃を抱きしめ自身を殺させることで由乃の居場所となろうとしますが、結局は由乃に生かされて神となります。由乃を失ったことで世界を再生する気力を失い、1万年間虚空の中で悲嘆に暮れていました。その後、記憶を分け与えられた由乃によって救いだされ、ともに星を見に行く所で物語は終わります。アニメ版本編では日記で救い出されることを匂わせたところで終わっており、ラストシーンは「リダイヤル」にて描かれました。

3周目では両親の関係性が改善されているようで、若葉萌絵と交際し、両親と一緒に出かけるほどの仲となっていました。なお、本来3周目は神となったものが過去をやり直さない限り存在しないはずですが、由乃を追ってともに時間跳躍をしたみねねの干渉で未来日記計画そのものが消滅したことで因果律が完全に崩壊し、2周目とは全く違う世界として確立されています。

『月刊少年エース』2007年5月号に掲載された『花子と寓話の未来日記』では、由乃のストーカーぶりについて相談するため、作者の前作『花子と寓話のテラー』に登場する亜想探偵事務所へ赴きます。

彼の名前の由来は、カピトリーノ三柱神の主神であり天空神でもあるユーピテルです。