アブラー博士

ペルシア王国出身の科学者で、「中央アジア最高の頭脳」と称される人物がいます。アトムは彼を「人間かロボットか、判別が難しい人」と評しています。彼自身の説明によれば、ペルシア戦争の影響で体の大部分を機械化したため、スキャンでは「ロボット」として分類されるとのことです。彼は戦争で家族を失い、その悲しみと世界への憎しみを抱えています。

彼は国際会議に出席するために日本を訪れますが、実際の目的は行方不明になった自作のロボット「プルートゥ」を探すことです。その捜索には、大量の偵察用ゴキブリメカを吐き出すロボットを使用しています。再登場時にはペルシア共和国科学省の長官に就任しています。サマルカンドでゲジヒトと会った際、彼はダリウス14世と親しかったことを明かします。後にゲジヒトの調査で、彼がサハドの生みの親であることが判明します。ゲジヒトの死後、彼はワシリーを人質に取り、エプシロンとプルートゥを戦わせます。彼は戦争で妻と子供を失い、その怒りと憎しみが彼を突き動かしています。サハドから「体」を奪い、プルートゥの「体」を与え、サハドの心情を利用して、ロボットたちの殺害を命じます。

しかし、実際には彼はアブラーではなく、自分をアブラーと思い込んでいるゴジでした。「戦争で体を失った」という記憶も、ゴジが自らの人工知能を欺くために作り出した偽の記憶でした。「本物のアブラー」はティムール地区への空爆で既に亡くなっており、死の直前に自らの憎しみをチップにコピーし、天馬博士に託していました。天馬博士がその憎しみをゴジに注入したことで、彼の人工知能が覚醒しました。

アブラーは天馬博士を拉致し、自分の脳をボラーに移植するよう強要した際に真実を知り、アイデンティティーの混乱で顔が変化し、最終的にゴジの姿に戻りました。

「地上最大のロボット」版では、ゴジ博士が変装しており、サルタンから月給1億で雇われていました。