コムギ

東ゴルトー共和国の客員棋士である彼女は、盤上競技「軍儀」の世界王者として知られています。彼女は盲目で、髪は乱れ、鼻水が垂れているなど、見た目にはあまり恵まれていません。話し方には訛りがあり、東北方言のような口調で話します。貧しい大家族の中で育ち、家族の稼ぎ頭でありながらも、家族からは疎まれています。

彼女の軍儀の腕前は非常に高く、常に進化し続ける王を寄せ付けません。対局中に新しい手を思いつくこともあり、その才能は天賦のものとして描かれています。普段は素朴で鈍感な性格ですが、軍儀に自分の価値を見出しており、負けた場合には命を差し出す覚悟も持っています。このような彼女の人間性は、王に強さや存在意義について考えさせるきっかけとなりました。

討伐隊には彼女の存在が知られておらず、討伐開始直後にゼノの攻撃で重傷を負いますが、ネフェルピトーの治療で回復します。その後、ゴンによってカイトの治療が終わるまでの人質としてナックルたちに預けられます。地上の統治を捨てた王・メルエムの希望で再会し、彼が猛毒に侵されていることを知りますが、彼女もまた最期の時をメルエムと共に過ごすことを望みます。メルエムの死の直前まで軍儀を続け、彼の死を看取った後、自らも命を落としました。