センリツ

音楽ハンターである彼女は、採用試験に合格した放出系能力者です。彼女は温厚で理知的な性格を持ち、あらゆる楽器を自在に操ります。

外見は一見すると、背が低く出っ歯で頭髪が薄い、男性的な風貌をしていますが、実は人間の女性です。初期のシーンではその外見が強調されていますが、後にデフォルメされた絵柄で描かれることが多くなります。

彼女はかつて、魔王が作曲した「闇のソナタ」を演奏した友人を失いました。この曲は「人間が演奏したり聞いたりすると禍が降りかかる」と言われています。彼女自身もこの曲を聞いたことで体を病み、現在の姿になりましたが、同時に念能力を得ることができました。この経験から、彼女は常に肌をほとんど露出しない服装をしています。劇中ではクラピカに右腕を見せるシーンがありますが、その腕はこの世の物とは思えない異様な姿に変化しており、クラピカは言葉を失います。彼女の友人も全身が彼女の腕のような姿に変わり果てたと言われています。彼女は自分や友人のような犠牲者を出さないため、「闇のソナタ」の楽譜を探し出し、この世から消そうとしています。人体収集家と契約したのも、情報を得るためです。

ヨークシンシティの地下競売場では正面口側を担当しており、ダルツォルネが殉職した際にはクラピカを新リーダーに推薦するなど、クラピカを信頼しています。

会長選挙・アルカ編ではゴンを見舞い、暗黒大陸編では第10王子カチョウの護衛を担当しています。彼女は生き残ろうとする下位王子たちに心を動かされつつあります。

彼女の能力には「フルートの演奏（仮称）」があります。これは楽器の演奏にのせてオーラを飛ばす放出系能力で、リラックス効果のある「野の春」などの楽曲があります。全力を出すと、聴いた者は3分間「音の世界に誘われた」状態となり、身動きが取れなくなります。この能力は音を媒体として効果を発揮するため、機器を介して聞いている相手にも効果がありますが、聴覚をふさいでいる相手には無効です。

また、「超聴覚（仮称）」という能力も持っています。これは通常よりも遥かに小さな音まで聞き取れる能力で、索敵や機器を用いない遠距離通信に活用できます。さらに、心音から心理状態を把握したり、足音から身体的特徴を識別するなど、様々な分析が可能です。事前に相手の通常の心音を聞いていれば、操作系能力によって操作されているかどうかも判別できます。