ヤコ

かもめ学園の美術室前にあるB階段、通称「ミサキ階段」は、七不思議の一つとして知られています。この階段の特異な点は、四段目を踏むと死者の世界へ引き込まれ、身体が無数の断片に引き裂かれるという恐ろしい伝説があります。さらに、夕暮れ時には不気味にも犠牲者の血が階段に滴り落ちると言われています。

この階段にまつわる話は「ミサキ」という名前で語られていましたが、実際には「ミサキ」という人物は存在せず、その正体は「ヤコ」という名のキツネ（稲荷像）でした。このキツネは、かつて事故で亡くなったとされる男性「ミサキ」の存在を作り出そうとしていたのです。

ヤコは人間の姿をとるとき、和服を纏った美しい女性の姿をしています。髪はセンター分けの前髪と編み込みのお団子ヘアスタイルで、右耳には狐の耳があり、各耳には鈴が三つずつ付いています。彼女のまつげは長く、唇は鮮やかです。

狐の姿では、耳には同じく鈴が三つ付き、目は細く赤いメイクを施しています。額には人魂を逆さにしたような模様があり、尾には小さな人魂が三つと大きな人魂が一つ付いています。ヤコは動物として扱われることを嫌い、しばしば噛みつくことがあります。