ヴィンセント・ファントムハイヴ

ファントムハイヴ伯爵家の先代当主である彼は、美しい容姿と泣きぼくろが特徴の人物だった。彼の髪色はブルネットで、普段は穏やかで柔らかな物腰を持っていたが、実際には女王の番犬として冷徹かつ有能な一面を持っていた。彼は親しい人々に対しては、皮肉な言動を取ることもあった。物語が始まる3年前、彼は自宅で何者かに襲われ、妻のレイチェルや使用人たちと共に命を落とした。その遺体は、屋敷と共に焼かれた。

彼はウェストン校の出身で、紺碧の梟寮の監督生を務めていた。翡翠の獅子寮の監督生であったディーデリヒを巧みに操り、クリケット大会での勝利を手に入れた。この勝利は、運動が苦手な青寮にとって唯一のものであり、シエルがウェストン校に潜入した際にも「碧の奇跡」として語り継がれていた。

テレビアニメ版では、彼の最期はさらに悲惨である。アンジェラによって殺害され、その遺体は妻レイチェルと顔を縫合された。シエルの記憶の中で彼を驚愕させるだけでなく、現世ではアンジェラによって異端の教団の教祖として操られていた。シエルには正体が知らされず、セバスチャンが投げたナイフによって頭部を貫かれ、倒れた後、アンジェラによって崩壊させられた教会の瓦礫の下敷きになった。