ローレンス

田舎の教会を任されている牧師は、神学校を卒業して真面目かつ丁寧に働いているが、天然な面を見せることもある。特に、自分に対する好意には極めて鈍感で、セシリアへの感情に気づくまでに非常に時間がかかった。普段の一人称は「私」だが、親しい友人であるアベルの前では「俺」となる。セシリアに対しては「ローレン」と呼ばれながらも、彼は彼女の名前を呼ぶことを避け、「聖女様」と呼び続けている。他人に名前を教える際も、紙に書いて伝えるほどだが、急な場面では名前を呼ぶこともある。

突然教会に現れたセシリアは、聖女であり、彼女をリスペクトする牧師にとって大切な存在である。しかし、その好意に気づくことは少ない。街の人々は二人の関係を暖かく見守っている。牧師は動物が好きだが、特定の体質のため動物が彼に近寄らず、猫の写真集を眺める日々を過ごしている。その体質とは、天使や精霊などの存在に好かれやすいもので、動物が近寄らないのは彼に接近する精霊たちを怖がっているためである。この体質のため、過剰な集まりや邪悪な存在が引き寄せられると彼の体調が悪化することがあるが、ローレンス自身はそれに気づいていない。

趣味はセシリアのお世話や仕事、料理で、造形のセンスは独特である。子供の頃の旅行先の島で、貝類を食べ過ぎてお腹を壊した経験がトラウマとなり、貝類を食べられない。観察力には優れており、落とし物を一目見ただけで持ち主を特定できるほどだが、その能力が好意の自覚に繋がることはない。

セシリアとの出会いは、「橋を壊さなければ街が沈む」という訴えを彼女がしているところを目撃し、彼女が倒れそうなところを助けたことから始まる。当初、ローレンスも住民同様セシリアの主張を疑っていたが、街の地図を見て大雨が降ることを確信し、彼女の説得を支援し橋を壊すことを認めさせた。