エス・ノト

黒い長髪と長身痩身の男性滅却師は、棘のついた黒いマスクと軍服風のロングコートを身にまとっている。彼の一人称は「僕」であり、平仮名、カタカナ、漢字、そして旧仮名遣いの「ヰ」を使った独特な話し方をする。彼のマスクの下には、唇の周囲が削ぎ落とされたような痛々しい傷跡があり、歯が剥き出しになっている。聖別を受ける前は普通の顔と口調だったが、能力の影響で変化したと考えられる。

彼は初めての侵攻で白哉の卍解を奪い、圧勝する。しかし、その後の奇襲作戦では返り討ちに遭い、バズビーの助けで火傷を負う程度で済む。二度目の侵攻では、浦原の侵影薬により白哉に卍解を取り戻される。その後、ルキアと遭遇し、彼女を利用して白哉をおびき寄せようとするが、ルキアの卍解の前に敗れる。

彼の能力は「恐怖（ザ・フィアー/The Fear）」と呼ばれ、聖文字“F”の力を持つ。この能力では、棘のような「矢」を放ち、触れた者に理不尽な恐怖を植え付ける。この恐怖は、精神力が強い者であっても動きを鈍らせる。ただし、ルキアのように特定の状態の者には効果がない。

滅却師完聖体としての彼は『神の怯え（タタルフォラス）』と呼ばれ、背中に茨の羽と頭上に茨の冠を思わせる輪が現れる。この形態では、彼の姿を見た者に強烈な恐怖を植え付ける。また、彼の体はグロテスクに変形し、肉塊を生み出して巨大化する。この姿は、見る者に深い恐怖を与える。

彼はもともと「聖別」から生き残った滅却師の一人で、重病で呼吸器を必要とする状態であったが、ユーハバッハの力で生き延びていた。彼の日常は、死や死後の恐怖に怯えるものだった。