レイヴン

エドガーの従者であり、アーミンの異父弟。年齢は20歳。褐色の肌に黒髪の少年で、深い緑色の目を持っています。彼の瞳の奥には、三位一体の戦いの女神の一体である「モーリグー」と、それを封じるために昔の青騎士伯爵が送り込んだ蛇の姿をした魔物の精霊が宿っています。

彼は植民地化以前のセイロンに存在したハディーヤの王家に仕える魔物の精霊を宿して生まれ、高い戦闘能力を持っていました。幼少期に姉のアーミンと共にプリンスに売られ、殺人兵器として教育されましたが、精霊の暴走により制御不能な殺戮を繰り返していました。アーミンは彼の命を救うため、エドガーと対面させ、エドガーは彼に「レイヴン（大鴉）」という名前を与えました。これは、彼が精霊をコントロールし、自身が主体となることを意味しています。その後、レイヴンはエドガーに絶対的な忠誠を誓います。

感情を表現するのが苦手で、常に無口で無表情です。純粋かつ正直な性格のため、思ったことをそのまま口にしてしまうことがありますが、悪意はありません。基本的にエドガー以外の人間には興味を持たず、エドガーの多くの恋人たちも彼の所有物程度にしか考えていませんでした。しかし、リディアに対しては徐々に心を開き、彼女を一人の人間として信頼するようになります。その結果、リディアに関することではエドガーに意見したり、無言の抵抗を示すこともあります。エドガーとリディアの結婚を心から喜び、結婚式の日には「こんなに楽しい日は初めてだ」と言っています。現在はトムキンスの元で執事の勉強をしています。

アメリカにいた頃は、エドガー以外の人間に興味を示さなかったため、周囲からの不信感を招き、誰とも友情関係を築けませんでしたが、性格がさっぱりとしているニコとは奇妙な友達関係を築いています。また、鋼に触れられなくなった姉のために銀製のナイフを用意するなど、セルキーとなった後も彼女を大切に思っています。

アニメでは、戦闘時に魔物の力が宿る左目が光を帯び、彼が動くとその軌跡が瞬間的に見える演出がなされています。