ポール・ファーマン

妖精画を専門に描く若手画家。エドガーより3、4歳年上で、無造作に伸びた薄茶色のくせ毛が特徴。外見には無頓着で、温和で天然な性格から周囲に好かれている。義賊団「朱い月（スカーレットムーン）」の一員でもある。

16歳の時、実父である画家オニールの弟子としてシルヴァンフォード公爵家に滞在し、そこで若君エドガーと出会う。当時、絵の才能に自信が持てず詩に興味を持っていたが、エドガーに「思いついたことを絵にする君が画家にならないなんてもったいない」と諭され、再び絵に対する情熱を取り戻す。エドガーに自分の最高の絵を捧げると約束し別れるが、その後、公爵家はプリンスの陰謀で滅ぼされ、エドガーはアメリカへ連れ去られる。一方、ポールも父と共にプリンスに狙われるが、「朱い月」に助けられ、画家ファーマンの養子となる。

約10年後、展覧会でアシェンバート伯爵となったエドガーと再会する。エドガーが死んだはずの若君と同一人物だとは思わず、さらに「朱い月」のメンバーにエドガーをプリンスの手先と誤解され、暗殺のための毒薬を渡される。一時は暗殺を決意するが、エドガーの言葉で彼が若君と同一人物であると気付き、暗殺を思いとどまる。エドガーを心から尊敬し、互いに信頼し合う友情を築いていく。

ロタについては、初めはエドガーの元恋人だと誤解していたが、誤解が解けた後は彼女を女性として意識するようになる。本編終了後、絵の技術を学ぶためパリへ渡ることが決まり、身分の違いからロタには何も言わないつもりだったが、エドガーに背中を押されてついに告白する。