宮園 かをり（みやぞの かをり）

本作のヒロインで、彼女は市立墨谷中学校の3年生。誕生日は7月4日で、身長は157センチメートル。ヴァイオリニストとして独自のスタイルを持ち、その演奏は聴いた人の心に強く残る。

明るく活動的な性格の彼女だが、特に公生に対しては無遠慮な態度を見せることが多く、彼からは「珍妙珍奇」で「奇抜」と思われていた。しかし、一方で突然涙を見せることもあり、公生に「1人にしないで」と泣きながら心を打ち明ける場面もある。彼女は公生に特別な感情を抱いており、「君をもっと知りたい」「何でも知っている椿が羨ましい」と語っている。

中学3年生の春に、椿の紹介で渡亮太と知り合い、公生・椿・渡の3人と親しくなる。藤和音楽コンクールでは、自分の解釈で演奏し審査員から酷評されるが、観客からは喝采を浴び、聴衆推薦で二次予選に進む。その後、長らくピアノから離れていた公生を再び舞台に立たせるため、彼に二次予選の伴奏を依頼し、さらに毎報音楽コンクールへの出場を強く勧めた。

ガラコンサートに公生と共に招待されるが、コンサート当日に倒れ、それ以降入院生活を送ることになる。病状が悪化するにつれ心が揺れるが、学祭で公生の演奏を聴いたことをきっかけに、一緒に演奏したいという彼の想いに応え、危険な手術を受ける決心を固める。

彼女が亡くなった後に公生に宛てた手紙で、5歳の頃に公生の演奏に感銘を受け、彼にピアノ伴奏をしてもらうためにヴァイオリニストに転向したこと、中学1年の時から何度も入退院を繰り返しており、自分の命が長くないことを悟っていたこと、「かをりが渡を好きである」というのが嘘であったことが明かされる。彼女が嘘をついた理由は、自分がいなくなることで公生と椿の間にわだかまりを残さないため、そして公生を椿に紹介するよう頼んでも拒まれると考えたからである。

アニメ版では、物語が進むにつれて彼女の髪色が変化する。物語の初めでは鮮やかな金髪だが、体調が悪化するにつれ、その髪色は次第に淡くなっていく。