忍野 扇（おしの おうぎ）

「正体不明」と呼ばれる存在は、阿良々木暦の罪悪感や自己欺瞞などの負の感情が具現化したものであり、伊豆湖によって「ダークこよみん」と命名されました。この存在は、翼のブラック羽川や撫子のクチナワと同様の性質を持つとされています。

この「正体不明」は、初代怪異殺しによって駿河の左手からエナジードレインされた力と、その後忍に食べられた初代怪異殺しの因子が暦に流れ込むことで誕生しました。その結果、鎧武者が持っていた悪しき力や忍の物質創造能力を獲得し、これらを利用して専門家を町から追放したり、消失した施設を再現するなどの行動をとりました。

「正体不明」の出自については、伊豆湖が語るところによれば、忍野扇の「忍野」は忍野メメではなく忍野忍に由来するものであるとされています。また、彼女がメメの妹を名乗ったことが誤解を招いた可能性があると推測されています。

物語のクライマックスでは、廃ビルでの対決で暦に正体を看破されそうになりますが、彼によって救われます。その後、間一髪で駆けつけた忍野メメによって「僕の可愛い姪っ子」として認識されることで、「怪異〈忍野扇〉」ではなく「忍野メメの姪」としての存在が確定しました。これにより、「くらやみ」の排除対象から外れ、一命を取り留めることができました。