青野 一（あおの はじめ）

この物語の主役は、1年生で1stヴァイオリンを担当し、1月1日生まれの松戸市在住者です。彼はヴァイオリニストの父、龍仁（声 - 置鮎龍太郎 / 演奏 - ヒラリー・ハーン）から指導を受け、小学生から中学生の間に各種コンクールで優秀な成績を収めました。しかし、父の不倫スキャンダルによりショックを受け、父と関連する全てを拒否し、ヴァイオリンを止めてしまいます。それ以降、彼は無気力な生活を送っていました。

彼は「なるべく遠くの公立高校」を希望し、担任の武田先生の勧めで千葉県立海幕高校へ進学を決めます。体育の授業中に怪我をし、保健室でヴァイオリンを練習していた秋音と出会います。彼女の姿に触発され、約1年ぶりにヴァイオリンを再開します。海幕高校に進学し、秋音と共にオーケストラ部に入部します。そこで、自分がいない間にコンクールを席巻した佐伯と出会い、音楽への情熱が再び燃え上がります。

彼のヴァイオリンの技術は幼少期から高く評価されていましたが、1年間のブランクにより少し影が差していました。しかし、現在は復調しています。体育は得意ではなく、勉強もそこまで得意ではありませんが、秋音のヴァイオリンの基礎練習に付き合う代わりに、高校入試では彼女のサポートを受け、一般入試で海幕高校に合格します。

彼は「父が離婚して出て行った」後は母と一緒に暮らしていますが、なぜか名前は変えていません。兄弟の佐伯とは一度喧嘩したことがありますが、完全に和解し、父親の存在を無視して自分たちは自分たちだと認め合います。以降、二人はライバルとして互いに切磋琢磨する関係になります。合唱部とのクリスマスコンサートを終え、新年を迎えるときには、さっぱりとした気持ちになるために髪を切ります。