エルヴィーラ

カルステッドの正妻である彼女は、深緑の髪と黒い瞳を持つ。彼女は前ギーベ・ハルデンツェルの娘であり、前ギーベ・ライゼガングの孫娘でもあるため、ライゼガング系貴族の出身である。しかし、彼女はフロレンツィアやフェルディナンドなど、ヴェローニカに迫害されている貴族を守るためにフロレンツィア派を結成した。

彼女は情に厚い貴族であり、血のつながらないローゼマインを実の娘のように優しく見守っている。一方で、貴族としての責任感も強く、第三夫人であるローゼマリーの娘とされるローゼマインを、裏事情を理解した上で母親として洗礼式に参加させたり、家中のバランスを取るために第二夫人のトルデリーデに協力することもある。

ローゼマインが来る前は、ヴェローニカの影響力が強く、エックハルトはフェルディナンドに名を捧げて神殿に入り、ランプレヒトは家族を守るためにヴィルフリートの護衛騎士となり、コルネリウスは兄たちの苦労を見てやる気を失っていた。さらに、トルデリーデが息子のニコラウスを後継者にしようと画策しており、先行きが不透明な状況だった。しかし、ローゼマインの登場とヴェローニカの失脚により状況は好転し、息子たちの立場も改善された。カルステッドとの関係も、政略結婚から心を通わせるものへと変わり、彼女はローゼマインに感謝している。

彼女自身はフェルディナンドの熱烈なファンであり、ローゼマインが印刷業の資金集めのためにフェルディナンドのイラストを販売することに賛成している。派閥の仲間と共に、フェルディナンドには内緒で彼をテーマにしたイラストや書籍を販売しており、売り上げは好調のようだ。