アノス・ヴォルディゴード

この物語の中心人物は、二千年前の神話時代に起きた大戦で恐れられた魔王の始祖です。彼は人々や神々を滅ぼす暴君として知られていましたが、実際には魔族を守るために戦っており、平和を切望していました。大戦を終わらせるため、勇者カノン、大精霊レノ、創造神ミリティアと和睦を提案し、四つの世界を隔てる大魔法「四界牆壁（ベノ・イエヴン）」を発動する計画を立てました。この計画により、彼は自らの命を犠牲にして和睦を成立させました。

二千年後、彼は人間のグスタとイザベラの間に転生し、生まれながらにして言葉を話し、すぐに成長魔法「クルスト」によって六歳の成長を遂げました。転生体は人間でありながら、魔王の血を引いており、知能や魔力は転生前と変わらない高さを保っています。一ヶ月後、魔王学院デルゾゲードからの招待を受け、再び「クルスト」を使って十六歳まで成長し、家族と共に魔族の国ディルヘイドへ移住しました。

学院では、入学試験で対戦相手を圧倒しましたが、魔力測定で魔力水晶が砕け、測定値が「0」になるなど、異常な事態が発生しました。また、二千年の間に誤って伝わった始祖の名前や思想に関する知識試験での解答が異なり、学院から「不適合者」と見なされました。さらに、神族からも摂理に従わない存在として敵視され、度々対立しています。

転生前も転生後も、彼の大好物はキノコグラタンです。時折、二千年前の感覚でジョークを言うことがありますが、現代では通じにくいことが多いです。また、彼は「～だからといって、～と思ったか」というフレーズをよく使用します。

アノスが素性を隠すために逆成長魔法「クルスラ」を使い、6歳の天才少年アノシュ・ボルティコーロとして姿を変えました。時間遡航魔法「レヴァロン」で二千年前に来た際には、既に転生しているアノスがいるはずがないため、この姿に変身しました。天父神ノウスガリアや四邪王族の事件解決後、アノシュの姿で魔王学院に転入し、勇者学院に来た際は基本的にアノシュの姿で行動しています。