アグニ

アルシャド・サティエンドラ・イヤー、通称カーンサマーは、1858年8月24日に生まれた青年で、ソーマの忠実な執事である。彼は、自由奔放な主人ソーマに対して「御意のままに」という言葉で応えることを常とし、彼のためならどんな命令も実行する絶対的な忠誠心を持っている。英国でのミーナ捜索の際には、その能力を存分に発揮し、ファントムハイヴ家の使用人たちにも指導を行うほど。また、ソーマへの深い信仰心から自己暗示をかけ、セバスチャンと互角に渡り合うほどの身体能力を見せることもある。彼はまた、数百種のスパイスを使いこなし、奇跡のカリーを作り出す「神の右手」と称されるほどの料理人でもある。

彼の過去は、バラモン階級に生まれながらも、神を信じられずにいたことで死刑命令を受けるほどの暗いものだった。しかし、ソーマに救われてからは彼を「神」と仰ぎ、絶対的な忠誠を誓うようになる。逆さ吊り事件編では、ミーナの本性をソーマに知らせたくない一心で、ハロルドの計画に従って行動していたが、最終的にはセバスチャンとのカリー勝負で敗れる。それでもセバスチャンにとっては貴重な人間の友人の一人となる。

青の教団編では、ソーマを守るために別邸を襲撃してきた敵と戦い、彼を守り抜くが、その過程で全身を刃物で切り裂かれて死亡する。彼の死は1889年11月15日であり、セバスチャンからは執事の鑑として賛美されるほどの生き様を見せた。