赤城 郁実（あかぎ いくみ）

赤城郁実は、咲太と同じ中学校に通っていたが、彼とはほとんど話すことがなかった。彼女は医学部看護学科の1年生で、落ち着いた口調で話す穏やかな性格をしている。髪型はボブカットで、最初はメガネをかけていたが、後には外している。正義感と責任感が強く、人々から頼りにされると全力で応えるタイプである。委員会活動やボランティアにも熱心に参加している。

大学の入学式で咲太と再会し、その後はほとんど顔を合わせることがなかったが、11巻で予想外の形で咲太と関わることになる。また、異なる世界の郁実として、彼女は咲太がいる大学の新入生として登場し、SNSで予知夢の話を見ては人助けをするなど、積極的に活動している。

一方、元の世界にいた郁実は、中学時代に起きたイジメ問題や咲太との関係に無力さを感じており、高校では生徒会長を務めるなどしていたが、大学入学式で咲太を見て自分の過去を恥じ、別の世界の郁実と入れ替わることを望んだ。入れ替わった後の郁実は、浪人生活を送っていたが、その世界では中学時代の問題が解決していたため、精神的に楽になり、そのまま生活を続けていた。

2人の郁実は、痛覚や触覚などの感覚を共有することがあり、自分の身体に文字を書くことでお互いに情報を共有していた。また、それぞれが異なる世界で生活していたが、咲太の推測では郁実の潔癖さが「逃げる」という行為を許さなかったため、最終的にはお互い元の世界に戻ることになった。