ラスト・トリニティ

リビックと同じ錬金術（アウター・アルケミック）を専門とする彼の術式は、「書庫」として色欲（ルクスリア）を持ち、安息（スィレオ）をテーマにしています。彼は「悠久図書館」と共に眠っていた「白の魔王」の青年であり、錬金術の始祖ホーエンハイムによって造られた人造生命（ホムンクルス）であり、また人造魔王でもあります。彼の構成材料は「生命の水（アクア・ウイタエ）」で、これは錬金術の究極の目標とも言われています。彼の容姿はリビックの趣味が反映され、端正な顔立ちをしています。

彼は人造人間創造の究極として、魔王を人の手で生み出すために造られましたが、単一の存在ではなく、撃破されるたびに同型機の一体が経験を引き継いで活動を再開するという特徴を持っています。このため、小説版や劇場版で登場した彼は、長らく放置されていた個体に近いものでしたが、その経験は神曲門世界でリビックに仕えていた始祖型（プロトタイプ）にも共有されました。その結果、彼の実力は真の魔王に迫るほどのものとなっています（なお、体のストックは現時点で百体分ほど存在するようです）。

彼は魔王因子を持たない魔王候補であり、魔王因子を取り込む器のみが完璧に機能しています。地上で封印されていた個体はアナスタシアの干渉で目覚め、他者の魔道を模倣する能力を使ってアラタから魔王因子を奪いました。彼自身はすぐに撃破されましたが、この経験を引き継いだ始祖型の個体は、白黒反転した魔王兵器ジュデッカのレプリカを自身の錬金術で構築する能力を得ました。

彼はディース・トリニティに単独で挑む力は持っていませんでしたが、主の悲願を叶えるため、最終決戦ではアビィスと共にアラタを助けました。アラタが身に纏う外套となって彼と一体化し、カイーナの姿を取ったアビィスと共に三位一体を成し、ディースを打倒しました。