カルタフィルス / ヨセフ

魔術師たちからは「彷徨えるユダヤ人」として知られるこの人物は、長い生きざまと奇妙な特性を持っています。エリアスからは「おちびさん」と呼ばれる程に古く、魔術師にかけられた「不死の呪い」を受けています。この呪いにより、頭を撃たれても、腕が切断されても死にませんが、痛みは感じます。彼の口調は無邪気ですが、倫理観は乏しく、自分の目的のためなら他者を犠牲にすることに躊躇いません。これらの行動は彼が体を補う方法を探すためのものです。

肉体的には、常に崩壊していく体をさまざまな方法で補っており、最新の肉体を求めて行動します。竜の力を利用しようと企み、リンデルが保護する竜の幼体を盗み出し、一部を自身の体に取り込み、もう一部は資金調達のためにオークションに出品します。

彼の研究への情熱は、チセの持つ竜の呪いの特性にも目を向けさせました。チセがエリアスと距離を置く中で、彼は彼女に近づき、ステラの命を盾に取引を持ちかけます。自分の体を壊しながら生き続ける呪いと、チセの再生させられながら死に向かう呪いが均衡をもたらすかもしれないと考えたのです。

彼の過去は謎に包まれていますが、彼がカルタフィルスとヨセフ、二つの存在が合体した結果生まれたことが明かされます。かつてカルタフィルスは救世主に石を投げたために、ヨセフと共にこの呪われた運命を歩むことになりました。

迫害と孤独の中で彼らは共存する道を選び、最終的にはチセとの対決を経て、彼はエインズワース邸で主に眠りにつく生活を送っています。彼はチセに対して複雑な感情を持ちつつ、静かに時を過ごしています。彼の存在は、いつか解決されるのか分からない多くの謎と問題を抱えていますが、その物語はまだ終わっていません。