エミリア

本作のヒロインの一人である彼女は、9月23日生まれのハーフエルフです。銀色の長い髪と紫紺の瞳を持つ美しい少女で、火のマナを司る大精霊パックと契約しています。彼女は低温の熱量を利用した氷系統の魔法を得意とし、他の微精霊とも契約しているため、四系統の魔法を浅く使いこなすことができる『精霊術師』です。

ルグニカ王国の次期国王を選ぶ王選の候補者の一人である彼女は、嫉妬の魔女と容姿が似ているため、世間から不当な差別を受けています。スバルと出会った際には、彼を騒動に巻き込まないようにと、嫉妬の魔女サテラの名を騙りました。心優しい性格で、困っている人を見過ごせない一面があります。

彼女は7歳の時から6年前まで、エリオール大森林で約100年間氷の中で眠っていました。そのため、実際の年齢は約100歳ですが、エルフの長命さから外見年齢は18歳、精神年齢は14歳とされています。スバルと出会った当初は気を張っていましたが、実際は純粋無垢な性格です。長い眠りの前は隔離的な生活を送っていたため、世間知らずで天然なところがあります。頑張り屋である一方、頑固な性格が災いして面倒くさいと評されることもあります。スバルに親愛の情を抱いていますが、異性としての好意はまだ理解していない様子で、性知識にも疎く、キスをすると子どもができると思っていました。

彼女は莫大なマナを扱う力を秘めており、エリオール大森林の凍結は彼女がその力を暴走させた結果です。しかし、その記憶は無意識に封じ込められており、パックも彼女の心の安寧のためにその事実を秘密にしていました。エキドナの『墓所』で過去と向き合った後、扱えるマナの量が飛躍的に増加し、氷の武器を多数生成して使い捨てながら戦う『アイスブランド・アーツ』を習得しました。

彼女は『このライトノベルがすごい！』の2017年版女性キャラクター部門で8位を獲得し、2017年9月から10月にかけてメロンブックスで開催された「MF文庫Jヒロインコンテスト2017 in Melonbooks」では1位を獲得しました。