『強欲の魔女』 エキドナ

スバルの「死に戻り」を理解する数少ない人物の一人である彼女は、尽きることのない知識欲を持つ女性です。彼女は黒い喪服のような装束に白い肌、そして長い白髪を持っています。19歳で亡くなりましたが、その魂は神龍ボルカニカの力によって『墓所』に封印されています。

彼女は知識欲や好奇心を行動の原動力としていますが、無知であることを新たな知識を得る機会と捉え、好意的に考える独特の価値観を持っています。彼女はこの世のすべての情報が記録される『叡智の書』の完全版を所有していますが、「知る喜び」を味わえないため、その使用を好ましく思っていません。スバルが『死に戻り』によって見ることができる、存在しなかったはずの未来（パラレルワールド）に興味を持ち、彼と契約を結び、彼に助言を与える代わりにその人生を観測しようとします。彼女はこの知識欲を「愛」と考えています。

彼女はスバルに対して女性としての興味を示すような言動を取りますが、実際には普通の人間の感情を理解できず、表現する感情も他者を模倣しているに過ぎません。知識のためならば、娘同然のベアトリスを含め、あらゆるものを犠牲にすることをためらわない異常な精神性を持っています。そのため、スバルとの契約を試みた際も、詭弁や欺瞞を躊躇わず、重要な事実を隠していました。スバルが彼女と契約した未来を描いたIFストーリーでは、スバルに助言を与えつつも、彼を操るために必要ならば嘘をつくことも厭わず、「愛」が減ることに疑問を抱くなど、飽き性な一面を見せています。彼女は自らを「ボク」と呼んでいましたが、実際の一人称は「ワタシ」です。

精神体となった後も、彼女は世界の膨大な知識を持ち続け、友人であった『傲慢』『怠惰』『憤怒』『暴食』『色欲』の5人の大罪魔女の魂と生前の軌跡を「蒐集」しています。彼女らは墓所内のエキドナの精神空間でエキドナの意思により自由に顕現させることができます。一方で、彼女は『嫉妬』の魔女に対しては隠し立てのない敵意と嫌悪を抱いており、エミリアに対しても嫌悪感を示しつつ、複雑な感情を抱いています。

聖域解放後、彼女はリューズ・メイエルの肉体に定着し、世界に解き放たれました。スバルの知識の中の「最後」という意味の「オメガ」に名前を変えました。

学園リゼロでは、嫉妬の魔女を除く6人の大罪の魔女で構成される6人姉妹の三女として、スバルの通学路にある豪邸に住む大学生のお姉さんという立ち位置にいます。