七海 建人（ななみ けんと）

彼は27歳の1級呪術師であり、五条の後輩にあたる。灰原とは同期であり、非術師の家系から来ているが、母方の祖父はデンマーク人だ。彼は茶髪で七三分けの髪型をしており、薄茶色のスーツを着用している。彼は視線を隠すためにツル部分のないゴーグルのような眼鏡をかけている。これは、自分を見た呪霊が襲ってくるためである。彼は常に真顔で、ほとんど表情を変えることがなく、冷静沈着で物事を俯瞰的に見ることができる。誰に対しても丁寧に話すが、基本的には無愛想である。しかし、内心は情に熱く、信頼する相手には敬意を示し、仲間を殺した敵には激怒する。

彼の術式は「十劃呪法」と呼ばれ、対象の長さを7:3の比率で分け、強制的に弱点を作り出す。この術式を使い、弱点を的確に攻撃することで、相手に大きなダメージを与えることができる。また、「瓦落瓦落」という拡張術式を使い、術式で破壊した建造物の瓦礫に呪力を込めることができる。彼は「時間」による制限を自らに課し、定められた時間を超えると呪力が上昇する。この状態を「時間外労働」と称し、ネクタイを右手に巻いて戦う。

彼の武器は大鉈で、普段は呪符を巻いている。領域展開は習得していないが、黒閃の連続発生記録保持者であり、4回の記録を持っている。高専1年の時は灰原と共に行動し、五条に振り回されていた。2年生の時には灰原が死亡するショックから、高専卒業後に一般の証券会社に入社した。しかし、行きつけのパン屋の女性との出会いがきっかけで、呪術師としての「やり甲斐」を見出し、再び呪術師の道を歩むことを決意した。

渋谷事変では、五条が封印された後、重面春太を倒し、禪院班に合流して陀艮を祓った。しかし、漏瑚の奇襲により上半身を焼かれ、渋谷駅構内で真人の無為転変により命を落とす。彼は虎杖に「ナナミン」という愛称で呼ばれ、信頼されていた。また、彼の好物はパンで、特にカスクートを好んでいた。