野口英作（のぐち えいさく）

理科に情熱を注ぐ学生が集まる放科部には、個性豊かな先輩たちが所属している。その中でも特に目立つのは、咲坂と太田という一学年上の二人の男子生徒だ。咲坂は自然な天然パーマが特徴で、落ち着いた雰囲気を持っている。一方の太田はカイゼル髭が目印で、どんな時も鷹揚な振る舞いを見せる。彼らの外見はまるで笑顔を絶やさない野口英世に眼鏡をかけた姿そのものだ。

放科部は一時期部員不足で廃部の危機に瀕していた。しかし、新たな部員として零が加入し、放課後の時間を科学と将棋の探究にあてる将科部へと変容を遂げる。温厚で面倒見が良い先輩として零を受け入れた咲坂と太田は、仕事で忙しい零の苦労を理解し、科学の問題だけでなく日常の困難にも手を差し伸べて支援してくれる。このおかげで零は咲坂と太田を頼りにし、心から尊敬している。二人の関係は大学に進学した後も続き、零は引き続き先輩たちに助けを求めている。