デンジ

本作の主人公は、自称16歳の少年で、ポチタという「チェンソーの悪魔」と共に非正規のデビルハンターとして活動しています。彼は、亡くなった父親が残した借金に追われる日々を送っていましたが、ある日、ヤクザたちが「ゾンビの悪魔」と契約し、彼を殺害します。しかし、ポチタが彼の心臓となり、彼を蘇らせたことで、チェンソーの悪魔に変身する能力を得ます。この力でゾンビの悪魔とヤクザたちを倒した後、マキマに拾われ、公安のデビルハンターとして働くことになります。

彼は大胆で自信家、素直で単純な性格を持っています。物事を深く考えることを嫌い、自分の欲望に忠実ですが、これは過酷な幼少期を過ごした経験と「普通に生きて普通に死ぬ」という普通の生活への憧れから来ています。幼少期からデビルハンター以外の生き方を知らずに育ったため、協調性や一般常識に欠けていますが、次第に他者への思いやりや自分の生き方について考えるようになり、成長を見せます。

彼は、初めて自分を一人の人間として扱ってくれたマキマに好意を持ち、彼女に認められることを目指して公安での任務を続けます。しかし、マキマの策略により「チェンソーマン」に変身して暴走してしまいますが、ポチタとパワーの助けを借りてデンジとしての姿を取り戻し、再びマキマと対峙します。最終的に、マキマへの好意は変わらず、彼女を愛ゆえの行為で完全に殺すために、彼女の肉体を食して一つになることで罪を共に背負うことを選びます。

全てが終わった後、彼はニャーコやマキマが遺した犬たちと暮らしていましたが、転生した支配の悪魔「ナユタ」を岸辺から預けられ、共に暮らすことになります。第二部『学園編』では、高校生として学校に通いながら、チェンソーマンであることを隠しつつ悪魔の討伐を続けていますが、内心では周囲に自分がチェンソーマンであることを打ち明けたいと思っています。

チェンソーの悪魔は、デンジが変身した姿で、赤いチェンソーマンとして知られています。胸から生えたスターターロープを引くことで変身し、頭部や両腕からチェンソーの刃が生えます。人や悪魔の血液をエネルギー源とし、どんなに深い傷を負っても蘇ることができますが、貧血になると再生できず仮死状態に陥る弱点があります。戦闘時には、身体能力と刃を駆使して敵を斬り刻む攻撃を得意とし、様々な応用技も可能です。後に、この姿は仮のもので、真の姿は地獄のヒーロー「チェンソーマン」であることが明らかになります。

チェンソーマンは、ポチタの真の姿で、デンジの自我が崩壊すると現れます。黒いチェンソーマンとして、通常時よりも強大で凶悪な姿に変貌し、戦闘力も大幅に増します。悪魔に最も恐れられる存在で、悪魔を食べるとその名前を持つ存在をこの世から消し去る能力を持っています。このため、作中の世界には「ナチス」「第二次世界大戦」「エイズ」「核兵器」「第六感」といった概念が存在しません。

圧倒的な強さでマキマと対峙しますが、人々がチェンソーマンをヒーローと見なすようになり、恐怖されなくなったことで弱体化し、一度は敗北します。弱体化後は、チェンソーの悪魔の姿に腕だけ鎧が備わったような見た目となっています。