ナイン / 九重 新（ここのえ あらた）

本作の主人公は、17歳の男子高校生で、頭脳明晰かつ冷静沈着な性格を持っています。彼は濃紺色のセルフレーム眼鏡をかけており、青森の核燃料再処理施設でツエルブと共に日本政府が密かに開発していた小型原子爆弾を奪取しました。その後、半年が経ち、彼は東京で高校生としての生活を始めます。

幼少期には、アテネ計画の一環として優秀な孤児を集めた施設に収容されていましたが、8年前にツエルブと共に脱出し、現在に至ります。彼は新進平和塾に関連する建物に爆弾を仕掛けていきますが、地下鉄に爆弾を設置した後、ハイヴの介入により自ら回収することになります。その後、ハイヴが用意した偽のスピンクスからの犯行予告を阻止するため、ツエルブとリサと共に羽田空港に向かいます。（リサはナインとツエルブとは別行動で羽田に向かいました。）

羽田空港では、ナインはツエルブと別行動を取り、ハイヴとのチェス勝負を通じて爆弾の場所を探します。リサがハイヴに捕まった際、ツエルブが彼女を助けに行こうとするのを止めようとしますが、ツエルブに裏切られ、ナインは一人で最後の爆弾を学校に取りに行きます。

その後、ナインは自ら警視庁に出頭し、記者会見の開催を要求します。しかし、ハイヴの妨害により会見は実施できず、代わりに事前に録画していた映像を流し、奪取した小型原子爆弾が2時間後に爆発することを日本国民に告知します。映像の最後では、ナインは素顔をさらしています。爆弾は気球に吊るされ、成層圏まで上昇して爆発し、強大な電磁パルスとオーロラを発生させました。

ナインの真の目的は、テロを引き起こして事態を大事にさせ、誰にも握り潰せない状況を作り出すことでした。また、彼はその事を突き止めて捕まえに来る人間を必要としており、その役割を柴崎に期待していました。そのため、彼は自分を逮捕しに来た柴崎に「あんた自身がオイディプスだったんだ」と言います。

リサに「いつも何の歌を聴いているの？」と尋ねられた際には、「寒い国（アイスランド）の歌だよ」と答えました。

米軍がやってきた際には、「原発に仕掛けた起爆装置を作動させ爆発させる」と脅しますが、その直後にツエルブが射殺され、激昂して起爆スイッチを押そうとします。しかし、柴崎に止められ、起爆装置は起動せず、そのまま柴崎に託します。最後に「俺たちを、覚えていてくれ、俺たちが生きていた事を」と柴崎に言い残し、耳鳴りを覚えてその場に倒れ、死亡しました。