ベル・クラネル

本作の主人公は、14歳のヒューマンの少年で、紅眼白髪が特徴的なヘスティア・ファミリアの団長です。その外見から「兎」に例えられることが多いです。物語の始まりではLv.1の駆け出し冒険者でしたが、急速に成長し、本編18巻時点でLv.5に到達しています。

彼は育ての祖父の死後、異性との出会いを求めて田舎からオラリオにやって来ました。そこで女神ヘスティアと出会い、彼女の最初の眷族となります。性格は基本的に善良で奥手ですが、祖父の影響で異性に対する憧れが強く、特に年上の女性に対して意識することが多いです。祖父から英雄譚を聞いて育ったため、英雄譚に詳しく、自身も英雄になりたいという夢を抱いています。

物語の初期からアイズに憧れ、強くなりたいと願う彼は、片角のミノタウロスとの死闘を経て冒険者として成長します。ベルを見初めた神々が関与する様々な騒動を乗り越え、力をつけていきます。異端児の事件を通じて偽善者となる覚悟を決め、新たな好敵手を得たことで精神的にも成長し、周囲からの信頼を得て英雄と称されるようになります。

アイズから戦い方を教わったため、彼の戦闘スタイルはアイズに似ています。主に短剣や軽装の鎧を装備し、自身の速度を活かした戦い方を得意とします。特異な特性を持つ神（ヘスティア）のナイフや、無詠唱魔法「ファイアボルト」を使用します。また、アイズへの憧れから発現したレアスキル「憧憬一途（リアリス・フレーゼ）」により、アビリティの急成長と限界突破を成し遂げ、その副次効果で魅了（チャーム）が効かない設定になっています。さらに、スキル「英雄願望（アルゴノゥト）」により、攻撃や魔法の威力を増幅し、独自に編み出した技「聖火の英断（アルゴ・ウェスタ）」を使用します。

本作の人気の理由の一つとして、読者がベルの純真な意志と成長に共感し、彼の姿に引き付けられることが挙げられます。宝島社の『このライトノベルがすごい!』の男性キャラクター部門では、2015年に8位、2016年に7位、2019年に10位、2020年に8位、2024年に9位に選ばれています。

彼の最初の二つ名は「未完の少年（リトル・ルーキー）」でしたが、Lv.4にランクアップした際に「白兎の脚（ラビット・フット）」という新たな二つ名が与えられました。