アイズ・ヴァレンシュタイン

外伝『ソード・オラトリア』の主人公であり、本作のメインヒロイン。作者からは本編で最後に救いたいヒロインと位置付けられている。金髪金眼の16歳のヒューマンで、ロキ・ファミリアの中核を担う冒険者。物語の初めではステイタスがLv.5だったが、単独で階層主ウダイオスを打倒し、Lv.6にランクアップする。

駆け出しのベルがミノタウロスに襲われていた際、間一髪で彼を救い出し、ベルと出会う。これをきっかけに、ベルの目標であり憧れの存在となる。また、ベルに戦い方を教え、戦闘の師匠としての立場も築く。物語が進むにつれて、ベルとの関係も徐々に深まっていく。性格は物静かで感情をあまり表に出さないが、精神的には幼く、対人関係が苦手で天然な行動も多い。さらに、酒乱という設定もある。一方、その美貌も相まって神秘的な印象を持たれがちであり、ファミリア内外の冒険者から尊敬と人気を集めているが、自身は何よりも強くなることを最優先としており、暇さえあればダンジョンに潜っている。

戦闘では強力な剣士であり、パーティでは主に前衛を務める。自身に風を纏わせる付与魔法エアリエルにより、攻撃力と防御力を高める戦闘スタイルをとる。必殺技は、武器に風を纏いながら突撃する刺突技リル・ラファーガ。神の恩恵を受けた当初から、モンスターに対する攻撃力の高域強化と竜種に対する攻撃力を超域強化するスキル復讐姫（アヴェンジャー）を発現している。

本編では感情移入が難しいキャラクターと作者から評されるが、アイズを主人公とする外伝では、ロキ・ファミリアに入団した7歳の頃のエピソードが描かれている。教育係のリヴェリアを困らせた過去や、幼少期から「怪物は必ず殺す」と誓うほどのモンスターに対する憎悪、自分の前には英雄は現れないという絶望、そして自身が強くなる必要があるという必死の心情が描写されている。アイズに関する秘密はロキとファミリアの古参首脳陣だけが具体的に把握しており、本編18巻および外伝13巻時点では、母の名がアリアであること、彼女の中に精霊の血が流れていること、黒竜に対するただならぬ憎悪、迷宮神聖譚の大英雄アルバートとの関連が示唆されている。

二つ名は剣姫（けんき）。