バニル

彼は魔王軍の幹部であり、ウィズという少数の友人の一人でもある。スピンオフ作品『仮面の悪魔に相談を！』の主役で、地獄の公爵であり、「見通す悪魔」として知られている。彼は悪魔族で、人間の悪感情をエネルギー源としている。彼の笑い声は「フハハハハ」で、自己紹介は「我輩」。彼の本体は仮面で、小説版のイラストでは、黒のタキシードと白のネクタイを着た大柄な人物として描かれている。

彼は「見通す悪魔」の名前が示す通り、他人の行動や思考を見抜く特異な話し方をする。ウィズと同じく、彼は魔王城の結界を維持するためだけに協力している「なんちゃって幹部」で、以前から魔王軍を辞めたいと思っていた。彼とアクアは種族的にも性格的にも相性が悪く、会うたびに喧嘩をしている。

彼は「バニル式殺人光線」という技を頻繁に使用する。作中では人間に対しては使用されていないが、アクアに向けて放った余波がウィズやダクネスに当たることがよくある。この光線は名前が示す通り、当たれば人間は死ぬとされているが、ウィズやダクネスは耐えている（なぜダクネスまで耐えられるのかはバニルにも不明）。他にも目ビームを持っているが、これは使用すると自分の目が焦げてしまうため、まだ使用したことはない。また、突然脱皮したり、仮面から体を生やしたりと、この世界の他の生物と同様に奇妙な行動をとることが多い。

彼はカズマと頻繁に商談を行い、カズマが知っているライターやコタツなどの知的財産権を買い取り、日本の商品を大量生産することで、以前からの夢を実現するために活動資金を稼いでいる。彼は人間を傷つけるつもりはなく、彼が好む悪感情は恐怖や絶望ではなく、期待が裏切られたときの残念な感情であるため、人間をなるべく傷つけずにからかったり楽しんでいる。しかし、「魔王よりも強いかもしれないバニルさん」と自称しており、その実力は高い。

彼は悪徳領主アルダープが悪魔（マクスウェル）を使って悪事を働いたとき、彼を大衆の前で恥をさらし、契約を解除したマクスウェルに彼を地獄に連れて行かせ、死ぬまで代償を払わせるなど、普段の彼からは想像もつかない悪魔としての一面を見せた。

彼はダンジョンでカズマたちと対立し、ダクネスの体を乗っ取り、弱体化した状態から多くの冒険者を倒した。カズマとも戦ったが、最終的には本体である仮面を破壊されて倒された。これにより死んだと思われたが、実際には残機が一つ減っただけで（その後、彼の仮面の額には「II」という文字がある）、復活を遂げた。一度討伐されたことで魔王軍の幹部の地位を失い、その後はウィズが経営する店でアルバイトをしている。

スピンオフ作品では、時々ギルドで相談窓口を開くようになる。また、定期的に近所のゴミ捨て場に集まるカラスを追い払っており、近所の奥様方から「カラススレイヤーのバニルさん」と呼ばれるほどになじんでいる。

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