バン

バンは、身長210cm、体重70kg、血液型B型の元人間で、2月14日生まれの43歳（肉体年齢は23歳）です。彼は「七つの大罪」の一員で、「強欲の罪（フォックス・シン）」として知られています。彼の刺青は左の脇腹にあり、料理の腕前が優れているため、「豚の帽子」亭のコックを務めています。

バンは「不死身の（アンデッド）バン」としても知られ、不死の肉体を持つ青年です。彼の血を飲ませることで他人を回復させることができます。かつては盗賊であり、現在も他人の服を盗むなど手癖が悪いです。左の首筋にはメリオダスにつけられた消えない傷跡があります。彼の性格は軽快で楽天的で、語尾に「〜♪」をつけて話します。不死のため、生の実感を求めて楽しみや痛みを追い求めています。メリオダスとは腕相撲で300勝以上しており、かつて投獄されていたところをメリオダスに誘われて「七つの大罪」の一員となりました。彼はメリオダスを信頼し、他の大罪たちも大切に思っています。ホークとは仲が良く、彼を師匠と呼んでいます。

物語の開始5年前に自ら捕まりバステ監獄に投獄されましたが、メリオダスの監獄突入に同調して脱出し、彼らと合流しました。王国突入後、女神族から自分を庇って命を落とした恋人・エレインを生き返らせてもらうことを条件にメリオダスの殺害を依頼され、メリオダスと衝突しました。このため、王国奪還後は団を抜け、ジェリコと共にエレイン蘇生のための旅に出ました。その道中で育ての父であるジバゴと再会し、彼の最後を見届けた直後に復活したエレインの襲撃を受けました。さらに「十戒」のガランとメラスキュラの襲撃を受け、ガランの力を奪い善戦するも反動で動けなくなりました。魂となったジバゴやジェリコの協力で逃げた先でエスカノールと再会し、バイゼル喧嘩祭りで「七つの大罪」と再合流し、メリオダスと和解しました。その後、メリオダスの感情を取り戻すために煉獄へ赴き、数百年の時を過ごした末にメリオダスの感情を見つけ出し、魔神王からメリオダスの感情を取り戻すことに成功しました。煉獄を脱出後はエレインを助け出し、キャメロットで魔神王と互角に戦いました。全ての決着後はエレインと共に旅立ち、彼女との間に子を儲け、「ランスロット」と名付けました。

バンは格闘術を主とした肉弾戦を得意とし、不死身の特性を生かした戦いをします。魔神族との戦いで仲間たちに後れを取るようになってからは自らの非力さに悩むようになりましたが、煉獄で何百年も過ごしたことで身体が煉獄の過酷な環境に完全に慣れ、肉体が桁違いに強化されました。魔神王と互角に格闘戦で渡り合えるほどの力を手に入れました。同時に、魔神族との戦いで瀕死となったエレインにすべての「生命の泉」の力を注ぎ込んだことで、エレインを完全に蘇らせるとともに「生命の泉」の力が無くなったため不死の力を失いました。しかし、魔神王と互角に渡り合っている姿を見たキングは「不死以上の力を手にしている」と言いました。

バンの罪状は「己の〈強欲〉がために、王国と友好関係にあった妖精王の森を破壊し「生命の泉」を我が物とし、聖女を殺害した」とされています。以前は「賊の（バンデット）バン」という通り名を持つ盗賊であり、人生の享楽を求めてジバゴから教えられた「生命の泉」がもたらす不老不死を奪おうとしました。そこで出会ったエレインに幾度も追い返されるも諦めず、エレインから「生命の泉」が無くなると妖精王の森が維持できなくなると聞かされると、「生命の泉」の強奪を諦めました。その後は次第に彼女との絆を温めました。赤色の魔神の襲撃の際にエレインに庇われ、エレインから「生命の泉」を口移しで飲まされ不老不死となり、赤色の魔神を倒した後、自ら出頭しました。つまりは冤罪であったのです。本来は死罪を求刑されていたものの、多くの刑罰でも不死身で死に至ることがなかったため投獄という処置に至りました。

バンの神器は「聖棍クレシューズ」で、両端が尖った四節棍です。5年前にバステ監獄に投獄された際に没収されていましたが、実はマーリンが密かに持っており、インデュラとの戦闘の時にバンに返還されました。神器の中でもとりわけ自在かつ変則的な攻撃を可能とし、さらに攻撃の精度を最大級にまで高める特性「超集中力（スーパーコンセントレーション）」を持っています。

バンの魔力は「強奪（スナッチ）」で、直接触れずに遠距離から物体や身体能力などを奪うことができます。「身体狩り（フィジカルハント）」は相手の身体能力を強制的に奪って弱体化させ、それを自分に上乗せします。ただし、効果終了後に副作用として強い疲労感に襲われます。「狩りの祭典（ハンターフェス）」は周囲に存在するすべての生物に対して武力中心に「身体狩り」を行う大技で、使用者の許容量を超える「身体狩り」はできません。「獲物狩り（フォックスハント）」は三節棍や鞭などの武器を使い、対象を高速かつ正確に奪うことができ、相手の心臓を奪う攻撃にも使えます。「バニシング・キル」は高速で回転しながら手にした武器で遠距離から相手を斬りつけます。「絶気配（ゼロサイン）」は気配を断ち相手に忍び寄ります。「死神の一薙ぎ（アサルトハント）」は鞭などを高速で旋回させ、広範囲に渡って薙ぎ払いながら切断を行います。煉獄からの帰還後に「聖棍クレシューズ」を使用した時には射程・速度ともに桁外れな威力での攻撃を可能としています。「贈与（ギフト）」は自身の力や体力を相手に与える能力で、魔神王との戦いの中で会得しました。「キリング・ストーム」は「聖棍クレシューズ」を持ちながら高速で回転し、広範囲に斬撃を飛ばす技です。