夏目漱石（なつめ そうせき）

神出鬼没で、政府や黒社会を渡り歩き、横浜の陰謀や作戦に常に絡んでいると噂される人物。彼は山高帽を被り、杖を持ち、薄い口ひげを生やした初老の男である。「昼は軍警と特務課、夜はポートマフィア、そして夕刻は探偵社が町の均衡を保つ」という「三刻構想」を実現させた後、彼は隠居生活に入った。

探偵社とマフィアがドストエフスキーの謀略によって全面抗争に突入した際、彼は決闘中の福沢と鷗外の前に姿を現し、二人を叱咤した。福沢からは「先生」と呼ばれ、彼の「異能開業許可証」の取得にも特務課に口利きをした大物である。彼の旧拠点である「晩香堂」には、夏目直筆の教訓が掲げられている。

彼は小説家でもあり、その作品を渡すことで暗殺者時代の織田作に殺しを止めさせた。

「吾輩は猫である（わがはいはねこである）」という異能を持ち、太宰から「万物を見抜く最強の異能」と称されている。詳細は不明だが、彼は決闘中の福沢と鴎外の前に現れ、春野のペットである「ミィちゃん」と酷似する猫の姿から元の姿に変身していた。彼の異能力名は文豪・夏目漱石の小説作品から名付けられている。