フョードル・ドストエフスキー

地下組織「死の家の鼠」の頭目であり、殺人結社「天人五衰」の一員。その人物の特徴は、誰に対しても敬語を使い、肩まで伸びた黒髪と不気味な笑顔を持っていること。自身では虚弱体質で貧血持ちと称しているが、太宰からは「魔人」と呼ばれる。

コンピュータに非常に熟達しており、自身で「白鯨」のメインシステムを掌握して墜落させた。他にも、組合のコンピュータにクラッキングし内部を混乱させ、組合の資産の4割を奪取することにも成功している。また、病気のミッチェルを治す条件でホーソーンを勧誘した経緯もある。

ポートマフィアへの潜入ではAの協力者にわざと誘拐され、その後Aを自殺に追い込み、さらにAの組織を壊滅させた。ポートマフィアの異能リストも奪取し、福沢と鷗外にウイルス型の異能を埋め込み、武装探偵社とポートマフィアを互いに潰し合わせる策略を立てた。その際には、武装探偵社とポートマフィアが協力して自分を排除しようとすることも予測して多重の罠を準備した。自身ではその知能が太宰と同等だと称しているが、乱歩からは「危険すぎる」「斃せるのは太宰だけ」と評されている。巧みな話術で相手の心理を操作することも得意。

彼の最終的な目標は、「本」を手に入れ、世界から異能力を消滅させることにある。

フィッツジェラルドと協力した太宰により所在がバレ、異能特務課に連行されるが、虫太郎曰くそれも計画の一部で「わざと捕まった」とのこと。欧州にある異能刑務所「ムルソー」に収容されるが、何らかの手段で外部と接触を持っている様子。同じ刑務所に収容された太宰と心理戦を繰り広げたが、ゴーゴリによって独房から出され、太宰との命をかけた脱獄レースに応じる。中也と共に出口を目指す途中、太宰が制圧した中央制御室で閉じ込められ注水の罠にかけられたが、中也の異能力を利用して逆に罠を破り、太宰達を罠にはめた。脱出途中でシグマが謎のメモを見せた際、一瞬別人のような言動をしたが、シグマを刺して彼の隙を突いた。しかし、シグマに対して自分の正体を明かすシーンもあった。

ヘリで逃げようとした際、ブラムの操る吸血種の影響でヘリが壁に激突し、爆発に巻き込まれ死亡したかと思われた。しかし、異能を使ってブラムに成り代わり空港に現れ、神剣と福地の協力で「三極の特異点」を発動させようとする。

「罪と罰（つみとばつ）」が彼の異能であるが、詳細は不明。ただし、彼が触れた人間が即死することから太宰は直接触れることが発動条件だと予測しているが、変化した死体を見て予想外の能力であることに気付く。シグマは、彼の記憶の中で処刑された彼が処刑人に成り代わるのを目撃している。この異能の名前はフョードル・ドストエフスキーの同名の長編小説に由来している。