広津柳浪（ひろつ りゅうろう）

武闘派組織「黒蜥蜴」の百人長を務める50歳の男性。黒いコートに薄い色のストールを巻き、片眼鏡をかけている。誕生日は7月15日、身長178センチメートル、体重66キログラム、血液型はA型。煙草が好きで、社会が嫌い。先代首領の時代からの古株である。

彼はポートマフィアの傘下にある「黒蜥蜴」で百人長の地位にあり、芥川や樋口の指揮に従っている。しかし、異能を持たない樋口に対しては内心で敬意を払っていなかった。しかし、彼女が単身で芥川の身柄奪還に向かった際にはその意気を評価し、彼女を援護した。

三組織異能力戦争では太宰に協力し、探偵社とマフィアの潰し合いでは、マフィアの説得に残った谷崎を捕らえて間諜にしようとしたが、彼の異能に翻弄され逃げられてしまった。

《天人五衰》との戦いでは、フィッツジェラルドとの取引に向かおうとする探偵社の護衛を命じられたが、突如現れた軍警から逃れるためにマフィアの秘密通路に避難。しかし、地上で再び猟犬の一人と遭遇し、与謝野を守るために立原や銀と共に戦った。三人を逃がすために立ち向かい負傷したが、実際には立原が猟犬の剣を操っていたため、負傷は軽く済んだ。病室に訪れた立原に対して彼を「マフィアの中のマフィア」と称したが、立原が探偵社をテロリストだと考えていることを知ると、自分たちより重症だと述べ、銀と共に探偵社がテロリストではないと伝えた。これが立原が頁の効力を解く一端となった。樋口と銀が吸血種になると、その場から立原を逃がした。

彼の異能「落椿（おちつばき）」は、指先で触れたものを斥力によって弾き飛ばす能力で、敵に触れて即死させるほどの威力を持つ。この能力名は、キャラクターと同名の文豪、広津柳浪の小説作品から取られている。