サンジョウノ・春姫（サンジョウノ・はるひめ）

本作のヒロインの一人である彼女は、16歳の狐人の少女で、翠の瞳と金色の長髪、太い尾を持っています。元々はイシュタル・ファミリアの一員でしたが、イシュタル・ファミリアが壊滅した後、ヘスティア・ファミリアに加入しました。派閥連合による遠征を経て、彼女はランクアップの資格を得て、「派閥大戦」の前にLv.2に昇格します。

歓楽街でベルと出会い、彼が自分を救おうと奮闘する姿に物語の英雄を重ねて好意を抱くようになります。彼女は礼儀正しく温和で純朴な性格で、誰に対しても丁寧に話します。極東の貴族出身であり、タケミカヅチの眷族とは旧知の仲です。幼少期から他人に従順であり、外の世界を本でしか知ることができなかったため、英雄譚や童話を耽読していました。

11歳の頃、父が詐欺に遭い、彼女は勘当されました。その後、紆余曲折を経てイシュタルに目を付けられ、娼婦として囲われることになります。歓楽街では自主的に何もできず、男の裸を見ると必ず気絶するほど初心であり、実際には生娘です。殺生石の儀式による自身の消滅を承知しつつもイシュタルに従っていましたが、ヘスティア・ファミリアに加入後は独り立ちの意志を示し、ファミリア内の世話係を自主的に務めるようになります。母子または姉妹のような間柄となったウィーネを守るためにベートと対峙した際には、一歩も引かない強さを見せました。

戦闘では直接の戦闘力はなく、主に後衛を務めます。彼女は対象者のレベルを一時的に1つランクアップさせる階位昇華の魔法を持ち、遠征の前に会得した付与魔法により複数に同時発動することも可能です。作中では強敵と対峙する際の切り札として多用されます。

黒竜を含めて敵が強すぎるため、作中の設定では倒せない可能性があるキャラクターとして登場しましたが、作者は初めてライトノベルらしいヒロインを書けたという手応えを感じていると述べています。