シスル /「狂乱の魔術師」

魔術師シスルは、幼い頃からデルガル国王と兄弟のように育ち、彼の父王に道化として雇われた経緯がある。人間を尊敬していたが、成長するにつれてその未熟さに失望し、敬意を失っていった。デルガルの父王が毒殺された事件にも居合わせ、その後デルガルの勧めで魔術を学び、黒魔術に傾倒。国民に不死の呪いをかけ、黄金城をダンジョンに変えた。

彼は「黄金の国」を守るためにダンジョンを創造し、冒険者たちを敵視。特に彼が直接使役する魔物を殺されると現れ、攻撃を加える。また、自分の理屈で行動し、他者とのコミュニケーションが困難になっている。黄金郷の住民を庇護しつつ、反逆を疑うと処刑するなど独裁者として振る舞う。

物語の中で、ライオス一行が「動く絵画」の中でシスルと出会う。彼はライオスたちを「盗賊」と見なし、激しく攻撃。しかし、ライオスはシスルの行動を理解し、和解を試みる。シスルはライオスの提案を誤解し、彼に永遠の蜜を流し込む魔法をかけるが、その隙をつかれて翼獅子に攻撃される。シスルはデルガルの顔をもう一度見たいという願いを持ちつつ、意識が薄れていく中でマルシルを蘇生させる。

この物語は、魔術師シスルの孤独と彼が抱える葛藤、そして彼とライオス一行との間の葛藤と和解を描いている。