ジーク・イェーガー (Zeke Yeager)

「獣の巨人」の能力者であるジークは、身長183cm、体重92kgの大柄な男性で、眼鏡をかけ、髭を生やしています。彼は「マーレの戦士」の戦士長として、ライナーたちの兄のような存在であり、作戦を実行する者たちのトップに立つ男です。彼の性格はつかみどころがなく、常に余裕を見せる一方で、敵に対しては冷酷で容赦がありません。

ジークは、前任者のクサヴァーから受け継いだ眼鏡と優れた投擲技術を持ち、自身の脊髄液を使ってエルディア人を「叫び」で巨人化させる特殊能力を持っています。物語の中で、彼はパラディ島に上陸後、ラガコ村の住民を無垢の巨人に変え、「獣の巨人」として各地を偵察しました。その後、シガンシナ区でライナーとベルトルトに合流し、調査兵団を迎え撃ちますが、リヴァイの奇襲により敗北します。車力の巨人に助けられ、ライナーと共に撤退しました。

ジークの出自は、グリシャと王家の末裔であるダイナの間に生まれたエルディア人で、エレンの異母兄です。彼は両親から「マーレの戦士」として育てられましたが、それを望んでおらず、両親の期待に応える重責に苦しんでいました。7歳の時、マーレに復権派の存在が感付かれていることを知り、両親を告発しました。この行為により、マーレから「驚異の子」として信頼を得ますが、次第に「エルディア人の平和的な絶滅」を願うようになります。

マーレ帰還後、ジークは中東連合との戦争に参加し、ライナーたちと共にマーレを勝利に導きます。しかし、裏ではエレンや「反マーレ派義勇兵」と共にマーレ襲撃を計画し、リヴァイに殺害されたように装って姿を消し、調査兵団と共にパラディ島へ同行します。パラディ島到着後、リヴァイたちの監視下に置かれますが、命懸けの逃走の末にエレンと合流し、「始祖の巨人」の力で「安楽死計画」を実行しようとしますが、エレンに主導権を奪われ失敗します。

その後、ジークは「道」でアルミンと出会い、生きる意味と喜びに気付き、過去の知性巨人継承者に調査兵団への協力を促します。最終的に、エレン巨人の背骨から姿を現し、リヴァイに首を刎ねられ、晴れやかな気持ちで死んでいきました。

原作者の諌山は、ジークを「主人公の前に立ちはだかるライバルであり、主人公がなってはいけなかった姿」として描きたかったと述べています。