グリシャ・イェーガー (Grisha Yeager)

エレンの父親である彼は、身長182cm、体重78kgの医者で、シガンシナ区で診療所を営んでいました。かつて、シガンシナ区で謎の疫病が流行した際には、抗体を提供して多くの住民を救い、優秀な医者として尊敬を集めていました。しかし、シガンシナ区が陥落した後、彼の行方はわからなくなりました。

エレンが外の世界に興味を持っていることを知った彼は、秘密の地下室を見せると約束しましたが、シガンシナ区陥落の混乱に巻き込まれました。避難中のエレンに「母（カルラ）の仇を討つ」ことや「巨人の力を支配して仲間を救う」ことを告げ、地下室の鍵を託し、謎の薬品を注射しました。

その後、彼の行方は長らく不明でしたが、レイス家の力によってエレンの記憶が呼び覚まされ、ウォール・マリア陥落時にレイス家の人間を巨人化させて殺し、フリーダから「始祖の巨人」の力を奪ったことが明らかになりました。そして、エレンに巨人化薬を注射し、自らを捕食させて死亡していたことが判明しました。

彼は実は壁外から来たエルディア人であり、幼少期にはレベリオ収容区で家族と暮らしていました。妹のフェイがマーレ治安当局の男に殺されたことで、マーレに対する強い憎しみを抱くようになり、成長後に反マーレの「エルディア復権派」に加わりました。「フクロウ」の手引きでフリッツ王家の末裔であるダイナと結ばれ、息子ジークを「マーレの戦士」となるよう仕向けましたが、ジークに裏切られ、マーレ政府に密告されました。ダイナと「エルディア復権派」のメンバーと共に拘束され、拷問を受けた後、パラディ島に連行されました。そこで「フクロウ」であるクルーガーに救われ、「進撃の巨人」の継承と「始祖の巨人」の奪取を託されました。

彼は壁外でキースと出会い、記憶喪失者として壁内に侵入し、密かに「始祖の巨人」を探っていました。最終的には「進撃の巨人」の能力で見た未来のエレンの言葉により、レイス家の人々を殺す決断をしました。その後、未来のジークに過去を謝罪し、恐ろしい出来事を阻止するために「エレンを止めてくれ」と懇願しました。

実写映画版では、巨人化の仕組みを知りたいがために息子に巨人化用の薬を投与するマッドサイエンティスト的な一面が強調されています。特定知識保護法違反で憲兵団に逮捕されました。

ノベライズ版では、三の壁に住む「貴族」でしたが、世界のシステムに不満を持ち、巨人化の薬「狩人（イェーガー）」を息子たちに投与し、エレンを反政府組織「鷗」のモンゼン支部長に預けたことが明かされています。

最終決戦では、始祖の巨人が再生させた歴代の9つの巨人の一人として「進撃の巨人」の姿で登場しました。当初はエレンの傀儡としてアルミンたちと敵対しましたが、アルミンの説得を受けたジークの想いに呼応し、始祖討伐に協力しました。