エイン

紫紺の外套をまとい、両手にメタルグローブを装着した仮面の怪人が登場します。外伝3巻では、アイズやレフィーヤ、フィルヴィスらの前にオリヴァスと共に現れ、その正体は不明でした。しかし、外伝12巻でその正体がフィルヴィスであることが明かされます。

フィルヴィスの真の姿は、「27階層の悪夢」において「穢れた精霊」の分身によって極彩色の魔石を埋め込まれた怪人です。普段は分身魔法を使い、ディオニュソスの眷族としてのフィルヴィスと、仮面を被った怪人エインの二つの姿に分かれていました。

怪人となった当初、フィルヴィスは汚れた自分を許せず、何度も死のうと試みましたが、怪人の自己再生力によりそれも叶いませんでした。そんな彼女を救ったのは、汚れた自分を愛していると語るディオニュソスでした。彼の願いを共に叶えることがフィルヴィスの生きる目的となります。

しかし、心を通わせたレフィーヤに対する親愛とディオニュソスへの忠誠の間で、フィルヴィスの心は引き裂かれていきます。食人花を率いて自分を殺させ、自身の死を偽装しようとしますが、クノッソス最終戦でレフィーヤに正体を突き付けられます。分身魔法を解除し、レヴィスよりも強力な怪人としてレフィーヤと対峙します。

激戦の末、フィルヴィスは最期にレフィーヤに抱かれながら感謝の言葉を語り、笑顔を浮かべて消滅します。