与謝野晶子（よさの あきこ）

25歳の女性で、ボブカットに大きな蝶の髪飾りをつけ、洒落た服装をしている。彼女は強気な性格でSっ気があり、誕生日は12月7日。身長166センチ、体重52キロで、血液型はO型。好きなものは花、和菓子、うなぎ、酒。嫌いなものは男尊女卑と弱い男である。

武装探偵社では医務を担当しており、その治療能力で多くの人を助けているが、探偵たちは彼女の治療に恐怖を感じている。女性蔑視や死を軽んじる人を嫌悪しており、そのような人物に対しては発言が鋭くなることがある。

彼女の過去は複雑だ。14年前の大戦末期、和菓子屋で店番をしていた彼女は鷗外に徴用され、国防軍の基地空母「燕騎士」で軍医委託生として働くことになった。そこで治療のお礼に髪飾りをもらい、ある上等兵と親しくなり、「天使」と呼ばれていた。しかし、戦況が悪化する中、彼女の異能を使って負傷兵士を戦場に送り返す度に精神的に追い詰められた。最終的には、心が折れ、船底に爆薬を仕掛けて逮捕された。その後、戦後は施設に隔離され、3年後に鷗外によって助けられた。そして、乱歩によって探偵社に引き取られ、探偵社員となった。

三社戦争の際には、中也と対峙し、その後は組合のポオが仕掛けてきた推理遊戯に参加した。福沢が倒れた後、ポートマフィアとの戦いに加わることを宣言し、ポートマフィアの潜窟に突入する。探偵社が濡れ衣を着せられた際、鷗外の目的が自分であることを見抜き、激しく対立した。フィッツジェラルドとの取引に応じ、敦や鏡花と再会し、ミッチェルを治療するが、猟犬に追いつかれ、黒蜥蜴と逃走する。しかし、猟犬に捕まり、護送途中に乱歩によって救出された。探偵社の内部で再集合し、その後は乱歩の指示の下《大指令》の受け渡し阻止およびブラム・ストーカー殺害作戦を実行しようとする。

彼女の異能「君死給勿」（きみしにたもうことなかれ）は、瀕死状態の人間に対して外傷を完全に治療する特殊な能力。ただし、瀕死でない相手を治療するには、一度瀕死の状態にする必要があり、探偵社内ではそのために恐れられている。本人もこの解体行為を楽しんでいる節があり、それがさらに恐怖の原因となっている。この能力の名前は、彼女と同名である文豪、与謝野晶子の詩に由来する。