ユミル (Ymir)

黒髪でそばかすが特徴的な17歳の少女。身長は172cm、体重は63kgで、2月17日生まれ。彼女は打算的で辛辣な言動が多く、粗野な性格を持つ。物語の初期から登場しているが、名前は長らく明かされず、9巻36話でようやくサシャの回想により判明した。

普段は不真面目に見えるが、実際には優れた頭脳と実力を持ち、謎の多い人物である。104期の中でも上位10人に入る実力を持ちながら、密かにクリスタにその地位を譲り、彼女に強い執着心を抱いている。

彼女の正体は壁外出身の巨人化能力者である。名前も持たない孤児だったころ、カルト教団の教祖に仕立て上げられ「ユミル」と名付けられた。その後、教団幹部とともに「楽園送り」にされ、約60年間無知性巨人として壁外をさまよった。845年、偶然にもマルセル・ガリアードを捕食し、「顎の巨人」を継承して知性を取り戻した。

壁内に侵入後、ウォール教関係者の会話からクリスタの存在を知り、彼女との交流が始まった。ウトガルド城での危機の中、クリスタを守るために巨人化して戦ったが、負傷して動けなくなり、ベルトルトに捕らわれた。その後、クリスタを守るためにライナーたちに協力するが、エレンの「座標」の力を見て「壁の中にも未来がある」と判断し、クリスタに別れを告げて撤退した。

その後の消息は不明だが、クリスタに宛てた手紙をライナーに託し、自身の生い立ちや「顎の巨人」の力を得て自由を謳歌できたこと、そして死を迎えることが書かれていた。マーレに帰還後、自らの意志で「顎の巨人」をポルコ・ガリアードに継承させ、その生涯を終えた。彼女の「顎の巨人」はポルコに比べて能力が劣っていた。

最終決戦では、始祖の巨人が再生させた歴代の9つの巨人の一人として「顎の巨人」の姿で登場。エレンの傀儡としてアルミンたちと敵対するが、アルミンの説得を受けたジークの想いに応え、始祖討伐に協力した。