福沢諭吉（ふくざわ ゆきち）

武装探偵社の社長である彼は、鋭い眼差しを持つ45歳の男性。和装姿が特徴的です。誕生日は1月10日で、身長は186センチメートル、体重71キログラム、血液型はB型です。彼の好物は猫と牛鍋、酒、そして平等。嫌いなのは封建制度です。

彼は武道の達人で、かつて日本刀を使う最強の暗殺剣士として政府に所属していました。当時の異名は「孤剣士『銀狼』」。複数のマフィアや異能者と戦い、単独で圧勝することもありました。また、福地の音速の抜刀にも生身で対応できるほどの実力者です。弟子である国木田は一度もその腕前を超えられません。

過去には夏目漱石の依頼で闇医者の鷗外を警護したことがあります。それ以来、鷗外とは対立しつつも共闘することもありました。猫好きでも知られ、猫に煮干しを与えたり、鷗外に猫と話しているのかとからかわれることもありますが、猫にはよく逃げられています。子供にも甘く、鏡花が探偵社に入ることをすんなりと許しました。

社員思いの性格で、敦がマフィアに誘拐された時は業務を中止してでも彼を救出するよう命じました。三社戦争が激化すると、敦の提案を受け入れてポートマフィア首領の森鷗外と密会し、自分の命を賭けてヨコハマを救おうとしました。鏡花が異能を制御できるようにし、護送機から脱出させたこともあります。

ドストエフスキーの策謀で、ホーソーンに襲撃され、プシュキンのウイルス型の異能力を埋め込まれました。苦しみながらも探偵社とポートマフィアが戦わずに街の均衡と平和を守ることを望みましたが、組織戦が始まってしまいました。これ以上の犠牲者を出さないために鷗外と一対一の決闘に臨みましたが、漱石と花袋の乱入により決着がつかず、再び共同戦線を組んでプシュキンの潜伏するアジトへ急行しました。

武装探偵社が《天人五衰》によって犯罪組織とされると、鷗外に探偵社員のポートマフィアへの移籍を条件に助力を要請し、その直後に逮捕されました。乱歩とポオによって救出され、「事件をぶち壊せ」と命じ、《猟犬》と手を結ぶために乱歩を福地の元へ交渉に向かわせました。

交渉が決裂した後、ポオの異能で探偵社空間に社員を集め、乱歩による《大指令》の受け渡し阻止およびブラム・ストーカー殺害作戦を指示しました。敦との待ち合わせ場所に向かい、人質となった国木田、谷崎、乱歩を救うために福地と決闘。福地の目的が国家消滅でないと気付きながらも真意を見抜けずに一度刺されますが、隙をついて彼に一太刀を浴びせ、《大指令》を奪って全世界の吸血種軍に停止命令を下し、同時多発軍事行動をギリギリで阻止しました。

《猟犬》隊長である福地とは道場破りに現れた福地と引き分けて以来の幼馴染で、成長後も交流がありましたが、戦場への同行を断り、その後袂を分かちました。彼を「源一郎」と呼び、この世で最も信用できる男として信頼していましたが、これが後に乱歩の仇となりました。

異能力「人上人不造（ひとのうえにひとをつくらず）」は部下に対して異能の出力を調整し制御する能力です。自身が異能者であることに部下を持つまで気が付きませんでした。能力名は同名の啓蒙思想家・教育者、福沢諭吉の著書『学問のすゝめ』の一節から取られました。