イェレナ (Yelena)

反マーレ派義勇兵のリーダーである彼女は、長身の女性兵士で、ジークを神と崇める信奉者として知られていました。彼女はマーレに滅ぼされた国の出身とされていましたが、後にマガトとピークの調査により、それが虚偽であることが判明しました。実際には彼女は一般的なマーレ人であり、この事実はオニャンコポンやジークすら知らなかったのです。

彼女は目的のためには手段を選ばず、同僚や仲間をも容赦なく殺す冷酷な性格を持っています。854年のマーレ遠征作戦では、顎ひげをつけた変装でピークとポルコを誘導し、落とし穴に嵌めました。また、851年には第一次パラディ島調査船団の一員としてパラディ島を訪れ、マーレ軍上官を射殺して調査兵団に投降しました。彼女は調査兵団に協力し、以降のパラディ島調査を阻止しました。

彼女はパラディ島の近代化に貢献し、鉄道技術や港湾整備、ヒィズル国との外交を始めるなど、政府の中枢に影響を与える立場にまでなりました。しかし、その裏でエレンやフロックを焚きつけて「イェーガー派」を結成し、クーデターを企てました。さらに、パラディ島の幹部や憲兵にジークの脊髄液ワインを盛るという策略を実行しました。

ジークに対する人質として、彼女は他の義勇兵とともにピクシス司令に軟禁されましたが、クーデター後はイェーガー派とともに逆にエルディア軍幹部や憲兵を拘束しました。「地鳴らし」発動後、彼女は「安楽死計画」の首謀者としてイェーガー派に処刑されそうになりますが、「車力の巨人」に救われました。エレンの目的地を知る者としてハンジらに連れ回され、マガトの拷問にも口を割りませんでしたが、最終的に湾岸都市オディハでエレンの目的地「スラトア要塞」を自白しました。

その後、ヒィズルの者たちと共に船に乗っていましたが、ファルコの巨人化により船が沈没し、キヨミらと共に救命ボートで漂流しました。それ以降、彼女の消息は不明です。しかし、アニメ版のエピローグでは「天と地の戦い」の3年後も生存していることが明らかになり、リヴァイやオニャンコポンらと共に難民の人々を支援している様子が描かれました。